初期研修医の先生が1か月ローテートをしてくれました!
10月の1か月間、当院初期研修医の伊東納野先生が当科をローテートしてくれました!脳神経内科医を志望している先生ですが、神経難病や脳血管疾患後遺症の方が、急性期治療を終えた後に何を思いながら自宅で日常生活を送っているのか、安心した生活を送るためにはどういうリソースが必要なのかなど広い視点で学んでくれました。
以下、伊東さんからの感想です!
私は将来、脳神経内科に進むつもりです。神経難病や脳卒中後の患者さんがご自宅でどのような暮らしをされているのかを見たいと思い、在宅診療科をローテさせて頂きました。
患者さんの生活の場で、穏やかな日常を出来るだけ壊さないように医療を行うということが、外来とも病棟とも違う独特な役割だと感じました。その過程で、一つ一つの薬剤の選択や使用方法について、患者さん・医療者双方が納得するまで話し合う場面を頻繁に目にしました。SDMという言葉は知っていましたが、実際には医療者が一方的に患者さんに説明し同意を得るような場合も多いと思います。この1カ月間、先生方が患者さんの真の望みを推察したり、患者さんと徹底的に話し合ったりするのを毎日聞けたことは、大きな学びになりました。
また、患者さんのご家族と緊密なコミュニケーションが取れるのも新鮮でした。改めて、専門職ではない方が24時間家族の介護をする負担の大きさがよく理解できました。一方で、介護者本人は介護負担そのものだけでなく、「介護が上手く出来ていなかったらどうしよう」という不安や罪悪感と「家族のために出来ることをしたい」という気持ちの狭間で悩まれていることもありました。また当然のことではありますが、医療者から見ると大往生と言えるような場合でも、家族にとっては容易に受容できない大きな喪失体験なのだと改めて感じました。
もちろん、医療や介護は患者さんのためにあり、患者さん個人の意思は尊重されるべきです。しかし患者さんとご家族、どなたの気持ちも同じくらい大切なものです。この先ますます社会の個人主義的な風潮は強くなるかもしれませんが、患者一人の命とは言えない場面はなくならないと思います。患者さん・ご家族皆が尊重され納得できるよう力を尽くして話し合う、という姿勢を(忙しい病棟業務の中でも)忘れずに持っていたいです。
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このサイトの監修者
亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫
【専門分野】
家庭医療学 在宅医療