実習報告:医学生 山本さん

医学部6年生の山本さんが当科で1週間実習してくれました。
在宅医療に触れるのは初めての経験で、病院と在宅での患者さんの様子や医療者の関わり方の違いなど、たくさんの発見と学びがあったようです。
私たちも普段の診療でなにげなく行っていることをあらためて考え、言語化して伝えることで、良い省察の機会となりました。
こうして卒前教育にも関われるのが研修病院である亀田で在宅を行う魅力であると感じました。
山本さん、ありがとうございました。素敵なDr.になってください!
以下、山本さんからの感想文です


実習を通して一番感じた事は、訪問診療科の先生、スタッフの皆様、患者様の皆様の温かさです。私のために特別なスケジュールを組んでくださったこと、米国の医師とのズーム会議に参加させてくださったこと、本当に勉強になる事ばかりでした。訪問診療先の患者様も、学生の私を温かく受け入れてくださり大変感謝しております。
訪問診療の中で印象に残った事があります。初回の患者様の往診に伺った際の事です。在宅診療科の先生が2時間くらいしっかりと時間をかけて、全身の診察だけでなく、今までの人生のこと、今どう思っているか、今後どうしたいか、などについて患者様にお話を聞かれていました。その患者様の人生に寄り添うような時間で、患者様の安心した表情がとても印象的でした。「しっかり寄り添う」と言葉で言うのは簡単ですが、本当に実践するのはとても大変なことだと思います。そしてそのことを在宅診療科の皆様がごく自然になさっていることが、とても印象的で学びの多い実習でした。今回の実習では、1週間の間に沢山の患者様のご自宅へ同行させていただきました。本当に様々な患者様がいらっしゃって、それぞれの患者様の病気と、病気だけではない日常生活のお話、生活のお話などを伺う中で、訪問診療科の奥深さを感じました。
病院の外来実習では患者様の病気を中心としたコミュニケーションになりますが、在宅診療では患者様の病だけでなく、人生そのものを見て患者様が本当に望んでいる医療は何かを考えていく事になります。また普段の生活を見て日常会話を交わす中で、お薬がきちんと飲めているか、日常生活で不便な事はないか、確認していくことになります。患者様の病気だけでなく、患者様の家族へのサポートや寄り添いも行っていかなければいけません。
人工呼吸器管理している患者様などですと、家族の方が毎日の管理をしなくてはならないのでそうした指導も行っていく必要があり、幅広い知識や他の職種の方との連携が大切だと感じました。
患者様の病状だけでなく生活や内面の問題も含めて最適な医療を提供する先生方や、スタッフの方々のお仕事を見学させていただいて、プロフェッショナルの凄さを感じました。私はまだ大学で医学を学ぶ医学生に過ぎませんが、学んだ医学知識だけでなく全人格的に寄り添える医師になりたいと決意を新たにいたしました。
「患者様の病気を治すだけでなく、その人生や価値観にも寄り添っていくことが大事だよ」という先生の言葉を胸に、今後も励みたいと思っています。
今回の素晴らしい学びの機会を与えてくださった、在宅診療科の先生方、スタッフのみなさまに心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫

【専門分野】
家庭医療学 在宅医療