(H28/10/11)平田信人が「消化管癌の自然史と膵癌」について発表しました。
1つの癌細胞が誕生してそれが際限なく増殖しますが、人の耐えうる限度は細胞数1兆個、直径にすると10cm、握り拳2つ分の大きさです。癌が発見されるのは多くは10mm前後です。消化管癌のダブリングタイムは1〜4か月であることが多いので
- 1個の癌細胞とそれを取り巻く間質の直径=10μm
- 10回ダブリング=2^10=1024倍≒1000倍(=10^3)
- 30Dだと直径10mm 1gになります
- 40Dだと直径10cmで細胞数は1兆個 1kgの癌になります。
癌が発見されるのが30回ダブリングしたときですから、その後わずか10回のダブリングで人は死にます。
胃癌や大腸癌のように表在の癌は癌が剥がれ落ちるのでダブリングタイムは長くなります。胃癌は最初は深部で生長し、粘膜の厚さになると表在型となり、また深部に入ると両者の性質を有するのでダブリングタイムが変わります。
膵癌については
- 正常上皮から癌化に約11.8年
- 癌の増大に約6.8年
- 癌の転移に約2.6年
ということがわかってきました。
このサイトの監修者
亀田総合病院
消化器内科顧問 平田 信人
【専門分野】
胆石、胆道ガン、膵炎、膵ガンなどの胆膵の病気、消化器内視鏡全般、胆膵内視鏡