ROSCをおくるか?

エントリー項目

救急

Key word

Cardiopulmonary Arrest (CPA), Return of Spontaneous Circulation (ROSC)

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◯1年目専攻医の先生の記念すべき初めてのポートフォリオ勉強会でした。内容は「地域の二次病院の救急外来でROSCしたCPA患者の搬送判断をどうするべきか」という難しいテーマでした。
背景には発表者自身がローテート中の二次救急施設でROSCしたCPA患者の対応は困難と判断し、後方病院に搬送したものの、果たして搬送は適切だったかと悩んだ経験が契機になったそうです。発表では背景疑問を明らかにすべく、重要な文献を織り交ぜながら、現在分かっていることを紹介してくれました。特にROSC後の予後予測についての3つの基準はかなりインパクトのあるものでした。その後のディスカッションでは、非専門医が救急外来を担当する病院で、搬送するかどうかの基準を設けた場合、どのような効果があるかが話題にのぼりました。また、家庭医としての目線で、CPAを減らすために地域でできる予防的介入となるような取り組みはないかで議論は更に盛り上がりました。個別性が高い問題のため、結論を出すことは難しいですが、だからと言って避けて通ることもできない大事なテーマだと強く感じました。
どこかで見たような?印象的なタイトルページとは裏腹に、発表者は大切な問題提起をしてくれたと思います。初回とは思えない程に立派な発表で、この先研修を通してどのように成長していくか益々楽しみになりました。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学