Tips004:脊髄空洞症の治療方針は?

post88_1.jpg側弯症(Cobb 31°)で発症した7歳、男児です。
神経学的にはT8-11に軽微な感覚低下を認めます。
あなたならどのように治療しますか?

1)経過観察
2)大後頭孔拡大術 (FMD)
3)空洞短絡術 (SS shunt)


Answer:脊髄空洞症は自然消失することがある!

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保存的に経過を見たところ、5年後には空洞が自然縮小しました。このような自然縮小例を9例経験しています。
成長により後頭蓋窩の容積が増大し、小脳扁桃が挙上し、空洞が縮小したものと考えています。経過観察中、神経症状、側弯症ともに進行していません。同時期に手術を行った小児例は38例でした。
神経症状の軽微な小児例で、小脳扁桃下垂がC1レベルを超えず、空洞も限局性の症例では、自然縮小の可能性があります。

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療