Tips003:C2分離症、脊髄障害のメカニズムは?

post87_1.jpg徐々に進行する痙性歩行で発症した、50歳代女性。
MRIではC2レベル髄内に高信号病変を認め、CTMではC2分離症を認めます。
髄内信号変化が脊髄症の原因と考えられますが、脊髄損傷のメカニズムはなんでしょうか?


Answer:頚部回旋により分離部が移動!

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前後屈位でCTMを撮影しましたが、脊髄の圧迫は全く認められませんでした。
患者さんが「車庫入れの時、後ろを振り向くと手がしびれる。」とおっしゃったのを思い出し、回旋位でのCTMを行いました。
回旋により分離部がスライドし、脊髄は洋なし型に変形しています。
C2-3固定術により、歩行障害の進行は停止しました。

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療