亀田メディカルセンター｜亀田総合病院 脊椎脊髄外科　医療関係者向け

Thromboembolic Events After Traumatic Vertebral Fractures: An Analysis of 190,192 Patients.
Samuel AM, Diaz-Collado PJ, Gala RJ, Webb ML, Lukasiewicz AM, Basques BA, Bohl DD, Kim HJ, Grauer JN.
Spine (Phila Pa 1976). 2018 Sep 15;43(18):1289-1295

外傷性脊椎骨折症例におけるVTEとその危険因子に関する研究です。
American College of Surgeons National Trauma Data Bank Research Data Set (NTDB RDS)によるretrospective cohort study。
合計190,192人の脊椎骨折患者で、VTEの全体的な率は2.5％。
多変量解析では、より長い入院期間が最も関連しており、28日を超える滞在期間で、0〜3日と比較して、オッズ比（OR）が96.60（95％CI：77.67 - 129.13）。
他の因子は、年齢(70〜79歳の患者は、18〜29歳に比べてORは1.65）、完全な脊髄損傷（OR：1.49）、がん（OR：1.37）、および肥満（OR：1.32）。また、VTE発生症例はMortalityが高くなるという結果でした。
VTEの全体的な割合は比較的低いので、予防をしっかりやっているのか、症候性に限っているのか、詳細不明ですが、脊椎骨折後、LOSが長くなると発生頻度が高くなるということで、慢性期の管理が重要なことを示唆しているものと思います。

脊椎脊髄外科　三浦 勇