髄腔内バクロフェン投与 (ITV) 療法について

髄腔内バクロフェン投与療法は、中枢神経系の抑制精神系伝達物質バクロフェン(ギャバロン)を本剤専用の植え込み型ポンプシステムを用いて、作用部位である脊髄へ直接投与することにより、脳脊髄疾患に由来する痙性麻痺に対して優れた痙縮改善効果を示す治療法です。

痙縮改善にはかなり効果があり、保険適応も認められていますが、
下記のようなデメリットも知られています。

1)本治療法を行うには特別な手術(ポンプおよびカテーテルの埋め込み)が必要である。
2)術後3ヶ月毎に薬剤注入が必要である。
3)本治療を受けた全患者様に対する施行後調査が義務づけられている。
4)合併症の発生率が高い(約26%)。

本治療法について十分理解のある患者さまのみにお勧めしています。

適応:脳脊髄疾患に由来する重度の痙性麻痺(基本的には下肢麻痺)

可能性のある合併症:
 感染症
 脳脊髄液の漏出(髄液漏)
 カテーテルのトラブル
 離脱症状(リバウンド):痙攣発作、精神状態の悪化、筋硬直、高体温、横紋筋融解、死亡
 過量投与(主にプログラムエラー):眠気、全身の筋力低下、血圧低下、徐脈、低体温

問い合わせ先:
亀田総合病院 診療部事務室 脊椎脊髄外科アシスタント
住所:〒 296-8602千葉県鴨川市東町 929番地
Mail:spine@kameda.jp
TEL:04-7092-2211(代)
FAX:04-7099-1277

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療