骨粗鬆症による圧迫骨折 〜痛みが取れるまでじっとがまんするしかないのでしょうか?〜 経皮的椎体形成術(PVP)はもう一つのオプションです。

骨粗鬆症による椎体圧迫骨折は、70歳代の約3割に認められる頻度の高い疾患です。背中や腰の強い痛みのために、歩けなくなったり、寝返りがうてなくなる人もいらっしゃいます。従来痛みが取れるまで安静が治療の原則とされてきましたが、高齢者では数日間寝ているだけで、足腰が弱くなったり、痛みのために咳払いや大声で話すことを嫌がり、肺炎やボケ症状の原因となることもあります。多くは1カ月程度で痛みが軽減されますが、時に数カ月〜1年経っても痛みが取れず、慢性的な腰痛に苦しむ方もいらっしゃいます。

経皮的椎体形成術 (PVP) は、1990年代後半に米国を中心に発展した治療法で、骨折した椎体に経皮的に針を刺して、医療用のセメント(骨セメント、ポリメチルメタクリレート)を注入して補強し、痛みを取る治療法です。骨粗鬆症や転移性脊椎腫瘍による圧迫骨折の痛み(椎体由来の痛み)に対して適応があります。急性期、慢性期を問いません。この治療は局所麻酔下に、針一本で治療できるので、患者様の負担は軽く、また所要時間は1時間ほどで終了します。責任病巣の同定さえ誤らなければ、骨由来の痛みに関してはほぼ確実に(有効率 90%)消失します。
まだ健康保険による診療が認められていないため入院治療は自費診療となります。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療