ちょっとためになる話18:頚椎の仕組みと働き1
皆さん、背骨の病気について理解できたでしょうか?次の話を始める前に、ここでちょっとだけ復習をします。
背骨は1本の骨ではなくて、「椎骨」と呼ばれるブロックの形をした骨が積み重なってできていましたね。これを頭の方から順番に、「頚椎」「胸椎」「腰椎」、そして一番下の大きな骨を「仙骨」と呼んでいます。背骨の中を「脊髄」と呼ばれる太い神経が通っています。太いと言っても皆さんの親指くらいの太さですよとお話ししました。
前回まで腰の病気についてお話ししてきましたが、今回から「頚椎と頚髄(けいついとけいずい)」、首の病気についてお話しします。
頚椎と頚髄の仕組み
最初に「頚椎と頚髄」の解剖(仕組み)について簡単にお話しします。頚椎は背骨の中でも一番頭側にあり、重たい頭を支えています。
イラストを見てください。図1は頚椎を右斜め後ろから見たところです。頚椎の椎骨の数は7つでしたね、覚えていますか?ネズミでもキリンでも頚椎は7つの椎骨でできていますとお話ししました。図ではC1~7と番号が振ってあります。(頚椎のことを英語でCervical spineと呼びます。そのため頚椎をCと略します。ちなみに胸椎はT、腰椎はL、仙骨はSです。知らなくても大丈夫ですが、知っていたらちょっとかっこいいですね。)
今度は図2を見てください。頚椎をスパッと水平に切った断面図です。椎骨の前の部分は缶詰のカンのような形をしていて「椎体」と呼ばれています。そして後ろの部分は弓のような形をしているので「椎弓」と呼んでいます。椎体と椎弓で囲まれた空間が有るのがわかりますか?この空間を「脊柱管」と呼んでいますが、脊髄はこの脊柱管の中に保護されています。
このサイトの監修者
亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫
【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療