ちょっとためになる話4:背骨の仕組み

今回のテーマは「脊椎の解剖」です。
「解剖?・・・なんだか難しそう。」
簡単に言うと「仕組み」です。背骨や神経が本来どんな形をしているのか知っていたほうが、病気について理解しやすくなります。少し回り道になりますが、お付き合いください。

背骨の仕組み
post13.jpgイラストを見てください。左側のイラストは背骨を前から見たところ、右側が左横から見たところです。
背骨は1本の骨ではなくて、「椎骨」と呼ばれるブロックの形をした骨がいくつも積み重なってできています。これを頭のほうから順番に、「頚椎」「胸椎」「腰椎」、そして一番下の大きな骨を「仙骨」と呼んでいます。仙骨の下端には退化した尾骨がついています。
ブロックの数はいくつありましたか?「24個!」 ー正解です。頚椎から腰椎まで、ブロックの数は併せて24個あります。
椎骨と呼ばれるブロックの数は決まっています。頚椎は7個、これが人によって8個だったり、6個だったりということはありません。そればかりか興味深いことに、哺乳類の頚椎の数は基本的には7個です。ネズミのような小さな動物も、キリンのように首の長い動物も、一つ一つの椎骨の大きさや長さは異なりますが、頚椎の数は7個です。
胸椎は12個です。胸椎には肋骨がついています。
腰椎は5個です。でも人によって4個だったり、6個だったりすることがあります。5個の人が80%、6個の人が15%、4個の人が5%位といわれています。その下の仙骨は、もともと5個に分かれていた骨がくっついて一つの骨になったものです。もし4個の骨がくっついて仙骨を作っている場合には、一つ骨が余ってしまいますので、見かけ上腰椎が6個あるように見えることになります。

少し興味を持っていただけましたか?次回はこれらがどのように並び、どのように働いているかを説明します!

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療