ローテーターから感想をいただきました

安房地域医療センター所属の専攻医の小林功樹と申します。私は将来、病院を舞台に患者様や地域に寄り添う「病院家庭医」を目指して総合診療医と家庭医療の後期研修をしております。しかし、自分自身が毎日のようにリハビリをオーダーしてセラピストの方々と関わる中で、リハビリについてしっかりと学んだことはありませんでした。この度、リハビリテーション科での学びを自分の診療に活かしたいと思い、1ヶ月ローテーションさせて頂きました。

急性期病院である亀田総合病院と、回復期病院である亀田リハビリテーション病院を行き来して様々な場面を経験させて頂きました。「疾患によって失われた機能の予後予測から、患者個別にリハビリ介入における益と害を考慮する」という原則に基づいて、急性期病院では脳血管/運動器疾患/がん/摂食・嚥下/廃用など様々な背景でのリハビリテーションを症例ベースで丁寧に教えて頂きました。また、回復期病院では常に周囲でセラピストの方々が介入している所を見学し、ホームエバにも複数回同行させて頂き、「リハビリテーションの現場」を知ることができました。また、リハビリテーションの概念に加え、嚥下造影/嚥下内視鏡などの私の普段の診療に活かせる技術についても個別で学習の場を設定して頂き、非常に満足のいく研修をさせて頂きました。リハビリテーション科の先生方は患者様だけでなく、ローテーターに対しても個別で計画を立てて成長の場を用意してくださる事に感動しました。成長を支える風土が素晴らしかったです。

総合診療が「疾患/病(やまい)/生命予後」というレンズで患者様を診療するならば、リハビリテーションは「障害/QOL/機能予後」というレンズを通して患者様を包括的に診療するという気づきがありました。疾患と障害の2つの視点から診療をできるようになれば、より奥行きを持って患者様を診られると感じ、家庭医とリハ医の親和性を強く感じました。

何科の医師でもリハビリを処方する機会があるという点では、学ぶことで日々の診療が変わる分野であることは間違いありません。家庭医だけでなく、どんな科を志す先生にもローテーションをおすすめできます。少なくとも自分は、今後も学びを続けたいと感じました。

1ヶ月という短い期間でしたが、本当にお世話になりました。

文責:小林功樹

このサイトの監修者

亀田総合病院
リハビリテーション科部長 宮越 浩一

【専門分野】
がん、脊髄損傷、脳卒中、小児疾患、高齢者のリハビリテーション