中島啓部長が65歳以上の患者を対象とした4価インフルエンザワクチンと23価肺炎球菌ワクチンの同時接種を論文報告!

亀田総合病院 呼吸器内科の部長 中島啓医師が、「Immunogenicity of simultaneous versus sequential administration of a 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine and a quadrivalent influenza vaccine in older individuals: A randomized, open-label, non-inferiority trial」(23価肺炎球菌ワクチンと4価インフルエンザワクチンの同時接種と逐次接種の免疫原性; 無作為化オープンラベル非劣性試験)をワクチン関連の英文誌であるHuman Vaccines & Immunotherapeutics(2017年のImpact Factor 2.229)に報告しました。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21645515.2018.1455476

米国予防接種諮問委員会(ACIP)は、ワクチン接種率を上げる方法として、2つのワクチンの同時接種(同一日に接種)を推奨していますが、日本では有害事象などへの懸念もあり、あまり普及しておりません。亀田総合病院 呼吸器内科では、多くの高齢者の患者様に、対象となる患者様には、インフルエンザワクチンと23価肺炎球菌ワクチンの同時接種を行っています。

2015/2016年シーズンに4価インフルエンザワクチンが日本に導入されました。
65歳以上の高齢者で4価インフルエンザワクチンと23価型肺炎球菌ワクチンの同時接種の免疫原性に関する報告はなかったので、今回、世界で初めての報告になりました。

本論文では、「プライマリーエンドポイントである血清型23Fの抗体応答割合の同時群と逐次群の差(同時群ー逐次群)は0.1%(90%CI ー10.8%~11.1%:非劣性マージン ー20%)であり、同時群(同一日に接種)の逐次群(2週間空けて接種)に対する非劣性が示された。血清型23F, 3, 4, 6B, 14, 19Aにおける接種1ヶ月後の抗体価は、同時群と逐次群において有意差を認めなかった。B Texas以外のインフルエンザH1N1, H3N2, B Phuketにおいて同時群の抗体保有割合は低下を認めなかった。同時群において副反応の増加は認めなかった。PPVとQIVの同時接種は逐次接種と比較して有害事象を増やさず許容される免疫原性を示した。両ワクチンの同時接種はワクチン接種率向上の有効な戦略の1つになると考えられた」という結論を述べました。

中島は、「逐次接種(2週間空けて接種)では、インフルエンザワクチン接種で一定の割合で起こる副反応で、次の23価肺炎球菌ワクチン接種を患者様が受けに来られない場合があります。また、高齢者で遠方の患者様は、2回目の来院が負担になります。同時接種(同一日に接種)は、ワクチン接種率を上げる有効な手段と考えられ、臨床の先生方において、ワクチン接種率を上げるプラクティスの1つとして考えて頂けると嬉しいです。」と感想を述べました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患