The 17th World Congress on Lung Cancer 三沢部長と胡谷医師が発表!その1

2016年12月4日〜7日にオーストリア・ウィーンで開催された第17回世界肺癌学会議(17th World Congress on Lung Cancer [WCLC])にて部長三沢と胡谷医師(指導:医長 中島・部長 三沢)が発表しました。

本稿では三沢の発表を報告します。

三沢は「Efficacy of photodynamic therapy (PDT) combined with a guide sheath method in lung cancer patients with endobronchial stenosis」という演題名で発表しました。

「近年、気管支鏡下末梢肺生検で活用されるEndobronchial Ultrasound with a Guide Sheath(EBUS-GS;ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法)がありますが、その手技で用いるガイドシース(GS)を活用した光線力学的治療(Photodynamic therapy;PDT)(GS-PDT)により内視鏡的奏効の得られた症例をまとめて発表しました。GS-PDTという我々が新規に報告したレーザー照射法は安全かつ有効であり、非小細胞肺癌のみならず小細胞肺癌にも有効な可能性がある」と結論しました。

会場からは「PDTは肺癌治療においてメインの役割を担えるのか?」との質問があり、三沢は「PDTそのもので肺癌を寛解に導く症例は限定的であり少数であるが、化学療法や放射線治療など他の治療法と組み合わせる集学的治療によりoperabilityが高まり、そのことによって根治性の高まる症例は間違いなく存在する。また症状(呼吸困難)緩和を目的とした気道インターベンションとしても安全に繰り返し施行できる利点があり、緩和医療においても期待できる」と答えました。

三沢は、「私は今回で3回目の参加になりますが、全世界レベルで展開され著しい医学的進歩を遂げる肺癌診療を直に肌で感じる国際学会であり、今後も継続的に参加したい」と感想を述べました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患