The 19th World Congress for Bronchology and Interventional Pulmonology 鈴木と大槻が発表!その2

2016年5月8日〜11日にイタリアのフィレンツェで開催された世界気管支学会(19th World Congress for Bronchology and Interventional Pulmonology[WCBIP])にて鈴木医師と大槻医師が発表しました。(指導者:三沢部長)

本稿では、大槻医師の発表を報告します。

大槻は、「Diagnostic bronchoscopy for primary lung cancer and EBUS-TBNA for lymph node stage On One-Stage」という演題を発表し、次のように結論を述べました。

「VBN (Virtual Bronchoscopic Navigation)-EBUS-GS (Endobronchial Ultrasonography with a Guide Sheath)法による肺癌原発巣生検とEBUS-TBNA (Endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration)によるN因子ステージングを一期的に施行した群は、各々の手技の単独施行群と比較して安全性に差はなく、また原発巣生検の正診率やEBUS-TBNAの穿刺回数および穿刺リンパ節数においても差はなかったと報告しました。従って、早急に病期診断・治療開始を急ぐ症例においては、2つの異なる検査手技の一期的施行を検討してよい」と結論しました。

会場からは「患者背景に違いを認めるのは何故でしょうか?」という質問があり、「一期的施行群においては、N因子ステージングが行われていることから縦隔・肺門リンパ節転移の疑われる症例です。しかし、VBN-EBUS-GS単独施行群においては、原発巣生検のみが行われていることから縦隔・肺門リンパ節転移の疑われない早期肺癌が多く含まれたためと考えます。その結果、喫煙率や病理組織型など患者背景に違いを認めた」と返答しました。

大槻は、「世界気管支学会は、日本の保険診療で認められていない最新手技の講演が数多くあり、色々と刺激になりました」と感想を述べました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患