中島 主任部長が「高齢者における肺炎球菌ワクチン接種戦略」に関する論文を出版!
亀田総合病院呼吸器内科 中島主任部長が、「これからの時代における、高齢者に対する肺炎球菌ワクチン接種戦略」に関する論文を出版しました。
下記の論旨となっています。
- 23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine:PPSV23)と結合型ワクチン(pneumococcal conjugate vaccines: PCVs)は、肺炎球菌感染症を予防するための重要な手段である。
- PPSV23は、侵襲性肺炎球感染症(invasive pneumococcal disease: IPD)に対する有効性を維持しているが、肺炎球菌性肺炎に対する有効性は低下している。
- 一方で、PCV13は良好な免疫原性を有し、IPDと肺炎球菌性肺炎の両方に対して一貫して有効性を示している。
- 近年、肺炎マネージメントにおけるパラダイムシフトがあり、肺炎自体の慢性的な特徴と他疾患を悪化させる可能性が注目されている。高齢者においては、軽症の肺炎でも、ADLを低下させたり、心血管イベントの発生を促進しており、疾病負荷は大きい。
- よって、IPDだけでなく、軽症も含めて、肺炎球菌性肺炎自体を予防することが重要である。
- そのためには、軽症も重症も含めた肺炎予防を行うために、血清型を広くカバーするPCVを中心としたワクチン接種戦略が重要である。
肺炎球菌ワクチン接種に関する最近のエビデンスに基づく今後の戦略を端的にまとめておりますので、ぜひお読みいただければ幸いです。
このサイトの監修者
亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓
【専門分野】
呼吸器疾患