仕事と子育ての生活
2005年卒業の桂田直子です。子育て中の女性医師は増えていますが、私の周囲ではまだまだ常勤医は少なく、参考になればと思い、勤務や生活について記載します。
子育て中の女性医師といっても、仕事と家庭の比重の置き方や環境はそれぞれ異なるので、自分が納得できるような落としどころを手探りしていくしかないとは感じています。
私は2011年に.亀田総合病院呼吸器内科に赴任し、2012年7月に第1子を出産、育児休暇を経て2013年4月から常勤で勤務を再開しました。
直接授乳のみで哺乳瓶が使えない状態で保育園に預け始めた息子が、今や元気に走り回っているという、振り返ればあっという間の2年間でした。
育休中に日本呼吸器学会の専門医を取得し、一般的な診療は可能な状態で復帰しました。勤務は週5回で、外来、病棟主治医、気管支鏡検査に携わっています。
当直や呼吸器内科拘束は免除、病棟主治医も担当医と2人で担当することで直接のコールがほとんどかからない状況で働かせていただいています。
時間的な制約がある中で働くということは、私ができない分の仕事を周囲がカバーしているということで、多大な理解と協力があってはじめて勤務を続けることができています。
学会発表に出張したり、論文作成や原稿執筆をしたりと、モチベーションを保てるようにしていただいていることにも感謝しています。
朝7時過ぎに子供を保育園に預け、7時半からのカンファレンスに参加し、18時前に子供を迎えにいく毎日です。
実家の援助はなく、甘えたい盛りの子供の相手をし、家事をして、職場では気持ちを切り替えて仕事に集中し、と一日が本当にあっという間です。
「もう限界」と思うこともありますが、勤務を続けているのは、やりがいを感じるのと進歩の早い臨床の流れに取り残されたくないという気持ちからでしょうか。
実際、復帰当初は仕事の感覚が落ちており、長期間の休みがとりにくいことを実感しました。
決して要領がよいわけではない(むしろ悪い)ので、時間的制約は重く、もっと仕事をしたいと感じることもしばしばで、自分が役に立っているのか悩むこともあります。
これは勤務を続けている子育て中の女性の多くが感じることだろうと思います。
時によって仕事と家に対する気持ちの天秤がゆれ動くのですが、私のバランスの尺度は、子供に向き合う精神的な余裕があるか、ということです。
スタッフとのとりとめもない話や子供の笑顔にほっとして・・・と、心のどこかには余裕があるようにしておくよう心がけています。
もうすぐ控えている第2子出産後は、また試行錯誤しながらの生活でしょうが、仕事も子育てもまだまだ先が長く、後になって「大変だったけどよかったな」、と思えるようにしていきたいと思います。
このサイトの監修者
亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓
【専門分野】
呼吸器疾患