肺塞栓の診断で使おう!「modified Wells criteria!」

呼吸不全の原因を精査する際は、問診と身体診察に加えて、胸部X線や、必要に応じて胸部CTを施行すると思います。

特に「患者の呼吸不全を説明可能な、聴診所見や、胸部画像所見に乏しい場合は、肺塞栓(Pulmonary embolism: PE)を鑑別に挙げる」というクリニカルパールがあります。

肺塞栓を考慮した際に、有効なツールが、「modified Wells criteria」です。

既に有名になったクライテリアなので、知っている人は多いと思いますが、基本を確認する意味で紹介させて頂きます。

modified well scriteria
*DVT(Deep venous thrombosis) :深部静脈血栓症
(JAMA. 2006;295(2):172-179.)
(Thromb Haemost. 2000 Mar;83(3):416-20.)

肺塞栓を考慮する場合は、上記7項目の合計点数を計算し、4点以下ならDダイマー陰性を確認できれば、肺塞栓が否定的となります。

合計点数が4点を超えていれば、PEの可能性があるため、造影CTを施行しPEの診断を行います。

肺塞栓を考慮した際に、特に高齢者や腎機能がやや低下している患者では、造影CTを行うべきか迷うことが多いと思います。

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患