卒業生(研修プログラム修了生)インタビュー 窪田
亀田総合病院呼吸器内科 医長 窪田紀彦
(2017年 鳥取大学医学部卒、2019年~2022年 内科+呼吸器内科連動研修)
1. これまでの経歴を簡単に教えてください
2017年に鳥取大学を卒業して初期研修医を沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで行いました。2019年に後期研修医(呼吸器内科専攻)として亀田総合病院呼吸器内科での研修を開始し、現在はそのまま亀田呼吸器内科の医員として働いています。
後期研修医の4年間(内科+呼吸器内科連動研修)のうち、1年間は他院研修(3か月:安房地域医療センター、3か月:がんセンター東病院、半年間:東京ベイ・浦安市川医療センター)を行いました。それぞれの病院に特色があり、特にがんセンター東病院では肺癌の最先端の治験などに関わり、東京ベイでは集中治療領域の呼吸・循環管理について学びを深めることができました。
2. 当科での研修を選んだ理由、きっかけを教えてください。
これまで東京周辺で学生や仕事をしたことがなく、日本の中枢である東京に近い環境を選択することで、情報に多く触れたり、様々な人と交流する機会が多くなったりと、自分の専門性を伸ばすうえで効果的に働くのではと思ったのがきっかけです。またこれまで日本、海外含め色々な所で生活をしてきましたが、関東で生活をしたことがなく新たな環境に飛び込みたいという気持ちも強かったです。
実際には関東の病院を4つ見学して、亀田は最後に見学しました。それまでに見学した中で良い感じの病院もあり、亀田は有名だし、なんとなく敷居が高いイメージもあり、怖いもの見たさ程度の気持ちで見学に来たのですが、実際に働いている先生方、特に中島部長との面談で非常に熱い思い(自分たちが日本、最終的には世界の臨床を変えていく!)に感作され(笑)、自分もチャレンジしたい気持ちが燃え上がったので亀田を後期研修先として選択しました。
3. 当科での研修で学びになったことはありますか?研修環境はいかがでしたか?
学びになったことは数知れず、今の私の呼吸器内科医としての核を作ることができたと思います。具体的には、南房総地域の呼吸器疾患のすべてが集まると言っても過言ではないので、特定の疾患に偏ることなく肺癌、間質性肺炎、肺炎や結核・NTM、喘息やCOPDなど、本当に幅広い疾患について学ぶことができました。また気管支鏡件数も豊富なので自分が主実施者となって、EBUS-TBLBやTBNA、クライオバイオプシーや局麻下胸腔鏡などを行い、それらのスキルを身につけることができました。
指導体制はチーム制で3か月毎をベースにローテーションするので、様々な指導医に垣根低く相談することができ、また全体カンファレンスも毎日あるのでチーム内でも悩む症例の際にはすぐに全体でも相談できる体制があります。他科との連携もスムーズであり、かつ他科の診療レベルも高いのでコンサルトを積極的に行うことで患者さんのためになるだけでなく、自分自身の診療への良いフィードバックとなっています。
4. 研修で大変だったことはありましたか?どのように対処されましたか?
最初は病院の明文化されていないルールやカルテの違いなどに戸惑うことはありましたが、先輩医師に聞いたり、亀田はコメディカルの質が高く、非常に協力的なので何か困ったときには分からないことを素直に伝えたりして、たくさん助けてもらいました。ワークライフバランスは呼吸器内科の医師数が増えたので、かなりホワイトな環境になっているのではと思います。拘束・当直回数の負担が少なくなり、また夜間や土日はコールフリーなので遠方にお出かけもできます。また私は育休を2か月取得させてもらい、それぞれの家庭の事情に合わせたサポートも充実していると思います。
5. 現在の仕事にどう活きていますか?
私は亀田で後期研修医を行ってそのまま医員として残ったので、後期研修医として学んだことがそのまま今の仕事にすべて活きていると思います。具体的には、問診の取り方や、検査の組み立て方や解釈の仕方、気管支鏡などの手技や治療の考え方・実践などです。また退院促進の仕方や地域の開業医へのつなぎ方、呼吸器リハビリの行い方なども、ソーシャルワーカーやリハビリの方々と働くことで学ぶことができました。これらの経験から得た知識や経験は、当院だけでなくどこの病院にいってもそのままの形で実践することは難しくても、応用して活かすことができると思います。
印象に残った症例はあげればキリがないのですが、例えば後期研修医1年目の初診で出会い、その後肺癌stageⅣと診断・治療した高齢女性の症例があります。診断後から、各種抗がん剤で治療を行って約5年間肺癌進行を遅らせることができました。ただ5年目で肺癌増悪が進み、抗がん剤治療による体力低下も目立ってきたので、本人・家族と相談して抗がん剤治療の終了と緩和治療メインに舵を切ることになりましたが、抗がん剤を終了したことで半年程度は体力が回復して自宅で生活を送ることができました。最終的には夫に先立たれ独居であり、子供も遠方であったのでホスピスでのお看取りを希望されましたが、診断から治療、看取りまで、長期的に患者さんおよびそのご家族と、コメディカルを含めたチームとして関わることができた印象深い1例でした。
6. 当科(あるいは貴院)での研修・勤務を検討する人へのメッセージ
呼吸器内科で極めたい領域が決まっている人はもちろんのこと、例えば総合内科などと迷われていて、何か専門性は持ちたいけどまだ決めきれない人にも呼吸器内科は良い選択肢の1つではないかと思います(私は後者の方でした)。呼吸器内科が頭によぎった時点で、手前味噌ですが亀田の呼吸器内科はこれまで上記したようにおすすめの研修先の1つではないかと考えています。なかなか鴨川の地まで来るのは大変かもしれないので、まずは中島主任部長のXでも、当科のインスタグラムでもなんでも良いので少し当科の雰囲気を感じていただき、そこからオンライン説明会や、お時間や興味があれば病院見学に来ていただければ嬉しいです。
7. 今後の抱負や将来像中長期的な目標
現在は、呼吸器内科領域全般の臨床を行っていますが、特に閉塞性肺疾患の喘息やCOPDを自分の核として今後学びを深めて行ければと考えています。将来は地域医療や訪問診療などのフィールドで臨床を行う可能性も考えているので、内科全般の知識のアップデートも怠らないようにしたいと考えています。またこれまでは、年次も若く学ぶ方がメインだったので、今後は自分の学びはもちろん続けていきながらも、後輩医師やコメディカルの方々への教育などを行っていくことで医学・医療の発展に貢献して世界を少しでもHappyなところにできれば、幸せかなと考えています。
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