角田明良医師による直腸瘤に対する手術療法についての論文が掲載されました!

直腸瘤とは女性に起こる便秘の原因の一つです。女性は男性に比べ直腸と膣の間の壁が弱く、便が溜まって排便をしようと息むと直腸の部分が過度に膨らむことがあります。これが膣から見ると直腸がコブ(瘤)のように見えるため「直腸瘤」と呼ばれています。骨盤臓器脱の一つでもあります。

保存的治療(緩下剤や食事療法など)が無効な場合は手術を行います。当院では異物を使わない、膣に傷をつけない経肛門的デロルメ手術を行っています。この手術法は肛門から直腸瘤のコブにあたるたるんだ直腸壁を縫い縮めて改善させる手術です。痛みも少なく、入院期間が短い、膣に影響がないため比較的若い方に適した手術方法です。角田明良医師は30名の女性にこの手術を行い約3年間のフォローアップで、排便機能を評価するスケールや排便に伴うQuality of Life scareにおいて著明な手術による改善を得られたと報告しています。

掲載された論文は、
Colorectal Dis. 2019 Aug 27. doi: 10.1111/codi.14833. [Epub ahead of print]
Transanal repair of rectocele: prospective assessment of functional outcome and quality of life.
Tsunoda A, Takahashi T, Kusanagi H.

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害