肛門内圧測定機器を一新しました!

この度、肛門内圧測定に新しい検査機器、T-DOC エアーチャージカテーテルを亀田クリニック、亀田京橋クリニックともに導入しました。直腸肛門機能障害を扱う施設においては国内で初の導入です。この新たなカテーテルの特徴・利点について臨床検査技師の宇賀神恵実からの報告です。


日本において肛門内圧検査で使用されているカテーテルは内部に水を流して行うwater perfusionカテーテルか先端に小さな内圧センサーがついたマイクロチップカテーテルが使われていますが、今回導入したT-DOC エアーチャージカテーテルは、内部に空気を通して先端の小さなバルーンを介して圧を測定する方法です。今回導入して感じたことをまとめてみました。
まず実際の検査についてでは、検査値の再現性が良く、再測定がほぼ必要ないという点です。おかげで検査時間が短縮し、患者さまの負担を減らすことができ、待ち時間短縮も期待できると思います。そして、今回導入した機器と以前使用していた機器との一番の違いは圧測定用のカテーテルがディスポーサブルとなった事です。検査前のキャリブレーションも不要ですし、同じカテーテルを使い回さないため消毒・洗浄がいりません。今まで検査終了後の消毒、洗浄の行程が(とても大切だからこそ)かなりの負担になっていたことに改めて気付かされました。消毒の際の身体の汚染を防ぐためのブルーガウン、手袋、フェイスガード付きマスクをそれぞれ付けたり外したり、それだけでも大変でした。これらの消毒用備品の購入費用もなくなりました。また、つけ置きする消毒薬の使用が無くなり廃液が出ないことは安全性の面でも大きな利点だと思います。汚物流しの設置がない場所でも検査が可能となりました。更に、今までは高額なカテーテル1本を使用しており、もしも破損してしまった場合検査が行えなくなってしまうなど不安でしたが、それもなくなり安心して検査が出来る様になりました。ここまで良いことばかりの新機種ですが難点が一つあります。それはカテーテルの購入費用です。この欠点がなくなりカテーテルが安く購入できるようになれば文句の付け所がなくなると思います。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害