第72回日本消化器外科学会総会で角田明良医師が発表

角田明良医師が2017年7月21日に金沢で開催された第72回日本消化器外科学会総会で腹腔鏡下腹側直腸固定術Laparoscopic Ventral Rectopexy: LVRに関する術後回復促進策(Enhance recovery after surgery: ERAS)とコーヒーによる術後腸管蠕動の関係について発表を行いました。

術後回復促進策(Enhance recovery after surgery: ERAS)とは、ヨーロッパの医師らが提唱したもので、「手術後の回復に役立つ管理のうち、エビデンスがあるものを組み合わせ、さらに早い回復を目指したプロトコル」です。必要以上の投薬や点滴、安静度を見直すことで患者さんへ身体的・経済的を減らすことが可能となります。今回、角田は腹腔鏡下腹側直腸固定術Laparoscopic Ventral Rectopexy: LVRに対して、全処置は前日を浣腸のみ、手術当日にCarbohydrate摂取、硬膜外麻酔の使用、術後5時間で座位姿勢をとり、Prokinetics、マグネシウム製剤を内服開始、第1病日に輸液中止、理学療法士介入で離床するなどの取り組みを27例に対して行い検討し、LVRにおいてERASを導入することで手術翌日には退院が可能との結果となったと発表しました。またLVR手術後にコーヒーまたは水を内服して腸管運動への影響をみるランダム化比較試験を行い、術後から最初の排便までの時間は両群間で差はなかったが術後第2病日の腸管運動ではコーヒー内服群で優位良好な結果が得られたと発表しました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害