第71回日本大腸肛門病学会で角田明良部長が発表

直腸肛門疾患を扱う一番大きな学会には日本大腸肛門病学会というものがあります。少し前にはなりますが、2016年11月に三重県伊勢市で行われました日本大腸肛門病学会で当科のスタッフが発表しましたので順次報告をいたします。11月18日に角田明良が痔瘻の手術法、LIFT: ligation of the intersphincteric fistula tractについて発表しました。

LIFTとは近年行われ始めている痔瘻手術の一つです。この術式は皮膚側から痔瘻の管をくり抜きますが外肛門括約筋の手前(外側)で瘻管を切除、内外肛門括約筋の間を開いて瘻管を露出し結紮切離する(糸で縛ってから切り離す)ことで、肛門括約筋を全く傷つけない方法として注目を浴びています。理論上はとても素晴らしい術式ですが、とても繊細な技術が必要とされるため、この術式はまだ日本では広まってはいません。今回角田は50例以上のLIFT施行症例に対して検討を行い、低い再発率、優れた肛門機能温存(手術後に便失禁を訴えない)結果を報告し、その手術について動画を使用し供覧しました。会場からは「再発の形式は?」などの質問がありました。LIFTについて角田は以前に雑誌 Disease of Colon and Rectum で論文を出しております。ご興味がある方は参照してみてください
Dis Colon Rectum. 2013 Jul;56(7):898-902. doi: 10.1097/DCR.0b013e31828d2e29.

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害