第42回国際ウロギネコロジー学会(バンクーバー)で高橋知子医師が発表 その1

2017年6月20日よりカナダ、バンクーバーで開催されたInternational Urogynecological Association 国際ウロギネコロジー学会において高橋知子医師が参加してきました。高橋から2回に分けて報告いたします。

カナダで開催された国際ウロギネ学会に参加してきました。皆さんは外科医がウロギネコロジーで発表するのに違和感を感じるかもしれません。しかし、海外での「ウロギネコロジー」の認識は膀胱瘤、子宮脱、尿失禁だけではなく、便失禁や直腸瘤、直腸脱や分娩時肛門括約筋損傷も含めて扱っており、この分野の研究を進めている私にとっては居心地のよい学会の一つです。今回私は、何度か発表している直腸瘤に対する経肛門的手術の一つであるTransanal Anterior Delorme(TAD)法の治療成績と共に手術後の性活動について調査結果を報告しました。直腸瘤は膣後壁が直腸壁と共に膣側へ突出する状態で、排便困難や残便感の原因となる骨盤臓器脱の一つです。従来の経膣的な手術法では術後の性活動への負の影響はよく言われており、経肛門的であるTAD手術ではどうかという調査でしたが、手術前より性活動のある方において術後に悪化することが少ないことがわかりました。まだ調査対象症例は少なかったのですが、この手術の新たな利点が実証されるような報告できうれしく感じました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害