4月に開催された外科学会総会で角田明良医師が発表

角田明良医師が4月に開催された外科学会総会で痔動脈結紮・粘膜固定術(THD法)と結紮切除術間の疼痛に関する比較試験について発表を行いました。

痔動脈結紮・粘膜固定術(Transanal Hemorrhoidal Dearterialization :THD法)とは肛門管内に超音波ドプラー装置を挿入し、痔核へ流入する痔動脈を正確に同定し、それを縛って血流を断つことで痔核を縮小させ、また痔核部の粘膜を縫縮させて痔核の脱出を抑える手術方法です。現在日本では保険適応となっておりませんが、アメリカ結腸・直腸学会ガイドラインでは推奨されている痔核の手術方法です。今回角田は44例のgrade3の痔核患者に対してランダムで従来の結紮切除手術またはTHD法を行い、術後の疼痛、鎮痛剤の使用量、手術時間、出血量、日常生活への復帰時期、術後合併症について比較検討を行いました。結果ではTHD法が安静時・排便時疼痛共に有意に少なく、日常生活への復帰時期も早く優れていることがわかりました。会場からは「痔核切除やTHD法の箇所の違いがありTHD法で疼痛が少ないと言えないのではないか?」という質問がありましたが、角田は「手術箇所に両群間で違いはなく、異なる術式間での痛みの程度を評価するには問題はない」と答えました。

亀田総合病院では、現在THD法は自費診療で手術を受け付けております。痛みの少ないTHD法についてご希望の方は角田医師の外来でご相談をしてください。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害