第16回アジア太平洋大腸肛門病学会(ソウル)で高橋知子医師が発表

2017年3月29日からソウルで開催されたAPFCP Asia Pacific Federation of Coloproctology アジア太平洋大腸肛門病学会において高橋知子医師が直腸瘤に対する手術方法の一つであるTransanal Anterior Delorme法の治療成績について発表を行いました。以下高橋の報告です。


2年に1度開催される第16回アジア太平洋大腸肛門病学会(ソウル)に参加してきました。年度末ということでもあり日本からの参加者は少なめでしたが、韓国をはじめ中国、タイ、マレーシアなどから多くの参加がありました。

私の発表したタイトルは「Short term outcome of Transanal Anterior Delorme Procedure for Rectocele(直腸瘤に対するTransanal Delorme法の短期成績)」でした。女性の排便障害の原因の一つに直腸瘤があります。これは怒責時に直腸膣中隔の脆弱部が膣側へ突出し、その部分に便が貯留することで排便困難や残便感を引きおこす状態です。その手術治療については経膣的アプローチが多くの施設で行われ有効性も報告されていますが、年齢が若く性的活動がある方に対しては問題があるとされています。今回は経肛門的なアプローチでの短期間観察での有効性について発表しました。会場からは外科医として受け入れやすい手術法だ、直腸筋層の縫縮の方法は?糸の材質は?など多くの質問をいただきました。またcoffee breakの間には海外の若手の先生達と意見を交換することができいい刺激を得ることができました。若手医師のデビューする海外の学会としてもいい場所だと感じました。次回は2019年マレーシアでの開催です。

170426img1.jpg

170426img2.jpg

このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害