【活動報告】フェニックスAAHPM通信 その3

17:30からレセプションとポスター発表が行われました。開場前にはロビーにて2人組のギター演奏やセラピー犬のエキシビションなどがありました。
Case poster presentation
-C921 A Case of Refractory Nausea and Vomiting in Patients with Advanced Cancer and Diabetes Mellitus at the End of Life
糖尿病の既往があり難治性の嘔気嘔吐を呈する末期癌患者に、オランザピン(ジプレキサ)の代わりにリスペリドン(リスパダール)を用いて有効であった一例について発表しました。参加者はめいめい手にお酒や飲み物、食べ物を持ちながらポスターを見て回り、ポスターの前にて著者が立って質問に答える、という形でした。
合計18名の方が足を止めてくださり、以下のような感想・質問をいただきました(時系列で記します)。

Case poster presentation
-C921 A Case of Refractory Nausea and Vomiting in Patients with Advanced Cancer and Diabetes Mellitus at the End of Life
糖尿病の既往があり難治性の嘔気嘔吐を呈する末期癌患者に、オランザピン(ジプレキサ)の代わりにリスペリドン(リスパダール)を用いて有効であった一例について発表しました。参加者はめいめい手にお酒や飲み物、食べ物を持ちながらポスターを見て回り、ポスターの前にて著者が立って質問に答える、という形でした。
合計18名の方が足を止めてくださり、以下のような感想・質問をいただきました(時系列で記します)。

  • 面白い発表だね。オランザピンの高血糖は確かに困るね。

  • 面白いね、頑張って。

  • みんなと比べて冴えない発表だわね。(掃除のおばさん)

  • 介入したのは70日目なの?!それまで入院してたの?!

  • こないだ私自身がシスプラチン投与されて、治験でオランザピン使ったの(第1選択としての治験で、当日プラス2日の合わせて3日投与)吐き気ゼロだったわ、いい薬よね。

  • 他のものが効かなかったのにリスペリドンが効くのね!ためしてみる。でも介入が70日目って!

  • リスペリドンどうやって効くの?(説明する)そうなんだ!写真撮らせて!私ハワイの医学部で教えてるんだけど、私も調べて、今度授業で扱ってみる。

  • 最近私もオランザピンよく使うようになってきたけど、リスペリドンも効くのね。眠気とか錐体外路症状はなかった?新しい知識をありがとう。

  • オランザピンは10mg分2朝夕で数日使って、それから5mg分1夕に減らしてよく使ってるよ。僕はMDアンダーソンにいるけど、Dr. Naingがオランザピンとカヘキシーのスタディやって、サイトカイン量と体重には統計相関がなかったんだけど、リスペリドンの話、してみるよ。森先生元気?

  • 写真撮っていい?難しい患者さんに使える薬がひとつでも増えるといいよね。ためしてみる。

  • 治ったのか、効くんだね。オランザピンの高血糖には困っちゃうからね。

  • リスペリドン面白いね、覚えとく。吐き気ってなかなか治らないもんね。

  • 写真撮らせて!Good job!

  • うちではハロドール(ハロペリドール=セレネース)を主に使ってあまり困ってないけど、この時期だと糖尿病あまり気にしなくていいような気もするし、オランザピンは高いよね!勉強になったわ。スライド、ダウンロードするね。

  • へー、リスペリドン使うんだね。僕はプロクロルペラジン(ノバミン)やハロペリドールが多いけど...イデオロギーの問題かな。オンダンセトロン(=ゾフラン)は使わなかったの?(適応がないし高いんです)ははは、それは大事なポイントだ。一つ勉強させてもらった。ありがとう。

  • へー、効くんだね、思いつかなかったな。確かに、老年科ではせん妄にリスペリドン使うけど、癌の人にあんまり使わないよね。オランザピンと仕組みは一緒だから、効くんだね。ためしてみようかな。(MD Anderson Cancer Centerの医師2人)

  • リスペリドン0.5mg二回で効いたんだね。全身状態は低下してたと思うけど、効果は遷延しなかった?ゾフランは使わなかったの?(コストがかかるんです)なるほど。写真撮っていい?

  • リスペリドン、老人にはよく使いますけど、こういう使い方もあるんですね。

最後の質問は藤沢本町ファミリークリニックの松木孝道先生からいただきました。異国の地で日本語でディスカッション出来て、心強かったです(もっとも、松木先生は最初に「英語でやりましょうか?」とおっしゃったのですが)。

PCTへの依頼が入院70日目の症例でしたので、そこについてのコメント(そんなに入院していられるのか、痛みとつらさのスクリーニングを強化して早期介入をする必要があるのではないか、など)もいただきました。概ねinterestingで、impressiveがちらほら混ざり、(掃除のおばさん以外は)総じて好意的な反応で、一安心といったところです。

終盤にはレセプション会場にドラムの音が響き渡り、楽隊がそのまま参加者を引き連れてPlenary session 101 The Rhythm of Teamworkになだれ込む、という趣向でした。

ディスカッションは真面目に、全体の雰囲気はリラックスモードで、まさに緩和ケアにおけるチーム医療とセルフケアの精神が具現化されていた一夜となりました。

(江川)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和