vol.69 人生会議ってなに?

今月の病院報に"人生会議"の記事を書きました。先般の厚労省のポスターの一件で、人生会議という言葉を知った人はかなりの数にのぼることでしょう。
Compassionate citiesの提唱者で知られるAllan Kellehear 博士は、生死を考える教育は、禁煙教育、性教育に匹敵する最も重要な公衆衛生上の課題であり、学校教育等の機会を通じ国民全員に教育する必要があると説きます。超高齢社会のトップランナーである日本ではなおさらです。ただ、人生会議で難しいのは、その話し合いの導入の際に、患者や家族に脅威を与えないよう温かく配慮のあるコミュケーションを行うことの大切さを、このテーマを扱う人全員が理解し、その態度や技術を習得する必要がある、という点です。人生会議をやっつけ仕事にしてはいけません。非常に重要かつsensitiveなテーマである″人生会議"には一家言をお持ちの方が多分野に多数おられることを私達は重々承知しています。このテーマに関心のある様々な幅広い分野の皆様と一緒に、私達の人生の最終段階の生が幸福になるための人生会議の望ましいあり方を考え、その普及を目指して、一緒に取り組んでまいります。

(関根)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和