【活動報告】Dr.Min Hee Kim(ソウル市Konkuk大学新生児科教授)訪問記 (2017/12/18~2018/1/15)

一昨年と昨年、関根は、韓国ホスピス緩和ケア学会冬季セミナーに、日本緩和医療学会からの代表演者として、"非がん疾患の緩和ケア"をテーマに、2度講演させていただきました。一昨年のこの学会でキム先生に初めてお会いしました。2013〜2014年には韓国周産期学会のチェアマンを務められており、同分野では第一人者で知られるキム先生ですが、ここ数年間の先生の最大の関心テーマは"緩和ケア"とのこと。先月18日から今月15日までご自身の休暇を利用し4週間当科に滞在され、私ども緩和ケアチームの回診や外来診察にも陪席され、みっちりフルタイムでこの期間を私達と共に時間を過ごされました。

キム先生が、『私が緩和ケアを学ぶのは自分自身の人生のエンドオブライフの準備でもあります。これまでもずっとテーマにしてきた"死"についてこれからももっと学び、韓国で今後益々重要度が増す緩和ケア分野の仕事をして自分の人生を終えたいと思っています。新しい学びを始めることは楽しいですね」と笑顔でおっしゃたことが忘れられません。一例ごとに異なる薬物療法やトータルケアの実際について、熱心に学んでおられました。1/6 には東京お茶の水で開催されたホスピスケア研究会に、1/14にはマインドフルネス勉強会に一日参加されました。一期一会の出会いと言いますが、誠に不思議なご縁で当科にお越しくださり、私たちメンバーにとっては、キム先生の熱心な学ぶ姿勢から自らの初心を想い出し、もっとしっかりと学ばなければと思うきっかけを頂きました。余談ですが、キム先生の父方の祖父は、金度演(キムドヨン)という大韓民国初代財務長官を務められた著名な政治家なのだそうです。キム先生の母国の医療を想う気持ちは、母国のために人生を捧げたお祖父様譲りなのかもと思った次第です。確かにWikipediaをみるとキム先生に似たお祖父様のお顔が載っていました。

(関根)

Kim-sensei, thank you very much for visiting us. We enjoyed having you here and we learned a lot from you. Good luck with your palliative care project in Korea. Please keep in touch.
Ryuichi Sekine representing Kameda PCT staff

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和