vol.49 「医療と介護の連携に関する意見交換」の第1回会議

厚生労働省は3月22日、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定を見据え、「医療と介護の連携に関する意見交換」の第1回会議を開催した。以下、看取りについての「検討の視点」を列記する。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000155666.html

  1. 看取りに関する国民の希望への対応
    • 「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を踏まえた対応など、医療従事者や国民の看取りに関する理解の状況について、どのように考えるか。
  2. 場所に応じた看取りの実施
    1. 在宅における看取り
      • 末期の悪性腫瘍等の患者以外の介護サービス利用者の看取り期において、容体変化の不安を抱える家族や介護職を支えるための医療の関与について、どのように考えるか。
      • 末期の悪性腫瘍等の患者へのサービス提供に当たっての、医療職と介護支援専門員との円滑な連携の在り方について、どのように考えるか。
    2. 介護保険施設等における看取り
      • 特別養護老人ホーム及び居住系サービスの入所者の看取り期における医療ニーズに適切に対応するため、特別養護老人ホーム及び居住系サービスが提供するべき医療の範囲と、外部の医療機関等が提供するべき医療の範囲について、どのように考えるか。
    3. 医療機関における看取り
      • 在宅等で療養している患者やその家族が最終的には医療機関における看取りを希望している場合の、医療機関も含めた在宅医療の関係者・関係機関間における情報共有や、医療機関が提供するべき医療の範囲について、どのように考えるか。
      • 末期の悪性腫瘍等以外の患者を含む医療機関における緩和ケアを必要とする患者への緩和ケアの在り方について、どのように考えるか。

上記リストはすべて重要な課題です。悪性腫瘍以外の緩和ケアのあり方についても文末ですが、課題に挙がってきたことに時代の流れを感じます。劇的な改善をもたらす解決法はおそらく困難で、これからも、国の動向をチェックしつつ、現場で具体的な対策を一つひとつ積み重ねていくことが重要です。

(関根)

このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和