抄読会

先月は、初期研修医1年目の飯島先生にローテートしてくださり、抄読会で、cJASNの"Comparative Efficacy and Safety of BP-Lowering Pharmacotherapy in Patients Undergoing Maintenance Dialysis"を読んでくださいました。
維持透析患者における降圧療法の 有効性と安全性をネットワークメタアナリシスで比較した研究です。
MEDLINE、EMBASE、Cochrane CENTRALからreviewして、40の研究をリクルートしました。
対象は、4283人を解析しました。
結果として、βblocker、MRBが収縮期血圧を優位に下げました。
有害事象の低血圧や高カリウム血症は、ACEi、ARB、MRBで優位に多かったです。
Strengthは、維持透析患者の降圧に関して、過去のどの研究より も非常に多くの研究と被験者が含まれていました。
limitationとしては、血圧の測定法に関しては評価が安定していない可能性と、head to head のtrialが少ないこと、また患者報告アウトカムに対しての降圧薬の効果には触れていないことでした。

1ヶ月ですがとても頑張って研修してくださり、難しい論文を読んで頂きました。飯島先生、ありがとうございました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理