抄読会

先月は、呼吸器内科専攻医の窪田先生にローテートして頂き、JASNの"Clinical Features and Outcomes of Immune Checkpoint Inhibitor-Associated AKI: A Multicenter Study"を読んで頂きました。免疫チェックポイント阻害薬(ICPi)による急性腎障害(AKI)を起こした症例を多施設で集めた研究です。
ICPi-AKIのリスクファクターは、多変量解析で、eGFR30以下 OR1.99(1.43-2.76)、PPI使用 OR2.85(1.18-4.48)、ICPiのコンビネーション治療 OR3.88(2.21-6.81)でした。
AKI発症まで、ICPi使用から平均14週間、最後に使用してから平均2週間でした。他のirAEの合併率は43%で最も多いのは、皮疹でした。
69%が尿細管間質性腎炎を起こしやすい抗菌薬、NSAIDs、PPIを内服しておりました。
60人(43%)が腎生検されており、56人(93%)が急性尿細管間質性腎炎を呈しておりました。
治療は、AKI診断時にICPi治療が134人(97%)の患者で中止され、119人(86%)にステロイド治療が行われた。
その後22%がICPiをrechallengeし、AKIを再発は23%で、再発群と非再発群で比較したところ、AKI再発群では、短い期間で再投与していた。(平均1.8ヶ月)
これまででIrAEsのAKIで最もNが多い研究で、とても勉強になりました。窪田先生がいらしてから、onconephrologyの患者様が多くくるようになりました。我々、腎臓内科はoncologyが苦手なことが多く、oncologyの患者様に還元できるように、知識をつける必要があると考えます。窪田先生、ありがとうございました。

https://jasn.asnjournals.org/content/31/2/435.long

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理