抄読会

先月は、南相馬市立病院の初期研修医2年目の田中先生が当科をローテートしてくださいました。高レニン、高アルドステロン血症の悪性高血圧の患者様がいらっしゃったため、下記2つの論文を読んでくださいました。

ケースレポートは日本からの報告で、37歳男性で、悪性高血圧、腎機能障害の患者様でした。左副腎に18mmの結節を認めたため、検査したところ、原発性アルドステロン症と診断し、左副腎を摘出し、CYB11B2染色が陽性であることを確認しました。
もう1本の論文は、原発性アルドステロン症における腎機能と血漿レニンとの関係です。結論だけ書きますと、血漿レニン活性が高い方が腎機能が悪く、血漿レニン活性が高いと腎予後が悪かったです。
腎機能障害を呈する悪性高血圧で高レニン、高アルドステロン血症であることが多いため、原発性アルドステロン症を考えず、見逃している可能性があると考えました。日常臨床の疑問からまとめて発表してくださいました。田中先生、ありがとうございました。

Elevated Plasma Renin Activity Caused by Accelerated-malignant Hypertension in a Patient with Aldosterone-producing Adenoma Complicated with Renal Insufficiency

Relationships of Plasma Renin Levels with Renal Function in Patients with Primary Aldosteronism

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このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理