抄読会

今週の抄読会は、今月のローテーターの初期研修医1年目の黒崎先生に、下記NEJMの"Acute severe hypertension"を読んで頂きました。reviewなので、簡単にTIPSを記載します。

救急外来で高血圧を主訴に来る人の割合は4.6%です。高血圧切迫症の最大のリスク因子は、アドヒアランス不良で、高血圧切迫症で来院した半数以上の患者では近医で2剤以上の降圧薬を処方されておりました。その他のリスク因子は、・塩分の取りすぎ、違法薬物(コカイン・覚せい剤など)、パニックや不安、心筋梗塞や心不全(誘因にも結果にもなりうる) 、黒人、 男性などがあげられる。

治療アルゴリズムがあげられており、臓器障害があれば、ICUで静注で緊急降圧、ない場合は、安静30分にも関わらず血圧高値が続くようなら、短期作用型降圧薬をすぐに内服。
長時間作用型降圧薬を処方し、 症状消失か、血圧<180/110なら、帰宅。症状がないなら、長期作用型降圧薬を処方し、1-7日でフォローアップ。

治療目標は、疾患によって若干異なるが、高血圧緊急症なら初めの1時間で20-25%降圧して、次の2-6時間で160/110mmHg へ降圧することが推奨。速やかに降圧を測る場合は静注し、 内服薬へ切り替えていく。

米国では、通院のコンプライアンス不良が予期されるときのみ降圧薬を処方して帰宅させる。降圧薬処方する場合も内服で処方し、救急室でのIVは推奨されない。治療反応が悪いときは、二次性を考慮。大事なのは紹介状を作成し、主治医へつなぐこと。

高血圧は、様々な科に関わる病態で考えることがたくさんあると改めて思いました。
非常に勉強になりました。1ヶ月間ありがとうございました。

Acute Severe Hypertension

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理