抄読会

今日は、医局員の長岡先生に下記論文を読んで頂きました。GFR30以上かつ蛋白尿が0.75-3.5g/dayのIgA腎症の患者さまにヒドロキシクロロキン(HCQ)を使用したというRCTです。
結果は、6ヶ月後の時点で蛋白尿が優位に減少してました。問題点として、Nが30ずつと少ないのと、個人的に問題と思ったのは、totalで15%血尿がない症例が含まれており、IgA腎症の診断に疑問がある症例が含まれていると思いました。
免疫調整薬と位置付けられているHCQは、現在SLEに対して保険適応が通っております。HCQがIgA腎症に効く理由はわかりませんが、DiscussionではToll like receptorのシグナルを抑えるのに効果があったのでは、と書かれておりました。将来的に治療の選択肢の1つになれば嬉しいです。とても勉強になりました。ありがとうございました。

Effects of Hydroxychloroquine on Proteinuria in IgA Nephropathy: A Randomized Controlled Trial

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理