抄読会

昨日は、先月、今月と2ヶ月ローテートして下さっている総合内科からのローテーターの登石先生が下記論文を読んで下さいました。NEJMで造影剤腎症のreviewです。

基本的にはこれまでの考え方と大きく変わらず、造影剤使用前から生食を使用、薬(スタチンやNアセチルシステインetc)の効果ははっきりしない、eGFR30以上はそこまで造影剤腎症のリスクは高くないということだと思います。
また、2000年代前半に"renalism"という言葉が流行しましたが、それは造影剤腎症を恐れるがあまりに造影剤を使用しないということです。
以前、残腎機能を気にするPD患者だから使用せず、状態悪化した時にはCAGで三枝病変であったことや、救急外来でcre1.4mg/dLのため、単純CTを施行し、診断がつかず、その後造影CTを施行したところSMA解離であったことを経験したことがあります。
必要な時には造影剤を使用することが重要だと思います。
非常に勉強になりました。ありがとうございます。

Contrast-Associated Acute Kidney Injury

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理