看護師連携の中でプロフェッショナリズムを考えた出来事

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プロフェッショナリズム

key word

アンガーマネージメント、アサーティブコミュニケーション、チームとしてのプロフェッショナリズム、学習する組織、チームビルディング

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○プロフェッショナリズムを意識するケースが続いた。
肺炎なのに酸素モニタリングがない。看護に「バイタル異常は命に関わるのに」と強く指示したり、100歳のショックバイタルを別の患者の対応のあとでと言われた場面で、「死にますけどいいんですか」と思わず強く言い返してしまった。

自分としては、「人命優先」が強い思いとしてあり、強く言うことが、ちゃんと伝わる方法と思っていた。後日、別の職員に呼び出され「看護師が、先生の伝え方を不服に思っている」と言われた。

良好な看護師連携について、考えたことをまとめた。

プロフェッショナルの定義:
・Swickによる規範に基づいた定義
・Arnold Lの概念図
・Richard Lのプロフェッショナルの属性

それを踏まえて、'チームとしての'プロフェッショナリズムについて考えてみた。医師、看護師関係の研究からは、よい連携ができれば、死亡率、ICUへの入室を減らすなどのメリットがあるという結果があった。
医師、看護師関係の評価尺度を用いて評価。看護師の自律性を認めることが大事と知った。
'学習する組織'を参考に、優れたチームを目指すためにとれる方法を学んだ。

自分の課題としては、怒りのコントロールとして、アンガーマネージメントが大事だと思った。
ベースは認知行動療法。「べき思考」の見直し。
6秒がピーク。深呼吸して待てばよい。
伝え方に配慮する必要がある。

チーム内のコミュニケーションをおろそかにしていたことに気づいた。プロフェッショナリズムを意識して怒りをコントロールしながら、伝え方を工夫していこうと思った。

ディスカッションとして、今後同じような場面でどうするのか、相手がなぜそうしたかの理由をきいてみること、客観的に自分の感情を理解すること、などが話題になった。

岡田先生コメント
ポートフォリオ作成で難しいのは、正解を求めるから。そもそも葛藤する問題を扱っているので、答えを探すのではなく、プロフェッショナルとして、自分になにが不足しているか、を考えることが大事。ルーブリックにある「妥当な意思決定」が自分だけでなく、みんなにとって妥当であることが大事。
怒りのコントロールの方法として、3つの門(これらの言葉は真実か、必要か、思いやりはあるか)をくぐったことだけ、初めて口にする。

参考文献:
・医師と看護師の協働に対する態度 : Jefferson Scale of Attitudes toward Physician-Nurse Collaboration 日本語版の開発と測定、医学教育 Vol. 42 (2011) No. 1 p. 9-17
・医師憲章(Medical Professionalism in the New Millennium:A Physician Charter)

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学