飲む量を減らしたい 
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家族志向のケア
キーワード
家族志向のケア、アルコール低減外来、動機付け面接、外在化、多方向肩入れ
専攻医3年目・久永先生によるポートフォリオ発表会が開催されました。今回のテーマは「飲む量を減らしたい」という患者さんとの関わりを通じた、家族志向のケアの実践です。
症例は、アルコール低減外来を受診された中年の患者さん。生活環境の変化を契機に飲酒量が増加し、健康面での影響が懸念されるようになったことから、家族の勧めで受診に至ったケースです。
久永先生は、アルコール依存症を「外在化」する視点を取り入れ、動機づけ面接の「OARS」を意識した問診を通じて、患者さんとの支援的な関係性を築いていきました。また、ループ図を用いて患者さんの行動変容におけるレバレッジポイントを考察する過程も共有され、家庭医療における多方向肩入れの実践が印象的でした。
ディスカッションでは、発表を通じて久永先生自身がどのように成長したかの省察が行われたほか、家族との関係性における支配的な構造の有無の確認や、「肯定」と「是認」の概念の違いについても指導医からのフィードバックを交えながら議論が深まりました。
また、遠方からの受診であったことにも注目が集まり、プライマリ・ケアの現場においてアルコール低減外来を設置する意義について、医局員一同が改めて認識を深める機会となりました。
発表を拝聴し、自己省察を外来診療の積み重ねの中で継続的に行っていくことの難しさと価値を、改めて実感しました。今回も大変学びの多い時間となりました。
久永先生、お疲れさまでした!
このサイトの監修者
亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男
【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学