高橋揚子先生 1月ローテの振り返り

1月に当院を研修された初期研修医の高橋揚子先生からローテ後の感想をいただきました。

ちょっと時間が経ってしまいましたが、亀田ファミリークリニック館山で1ヶ月家庭医研修をさせてもらいました。とっても温かく雰囲気の良い環境で、幅広く様々な経験をさせていただき、充実した1ヶ月間を過ごすことができました!
1ヶ月の学びや経験が最大限になるように工夫してくださった先生方に感謝しています。
4月から小児病院で小児科研修をすると決めてから、家庭医研修でのプライマリケア、予防医学を学ぶ機会をとても重要に、そして楽しみにしてきましたが、医療の幅広さ、深さを感じた1ヶ月間でした。総合内科外来でヘルスメンテナンスをすることや、生活習慣病の患者さんの日常に焦点を当てることはあっても、この2年間、ほとんど疾患のことだけを考えていて、それはほんの一部にすぎないと肌で感じました。
乳児健診で今後のbirth planningやお母さんの葉酸、頸がん検診、両親の風疹ワクチンのことを話しているところを初日に見学させていただいたところに始まり、不登校の親の外来、校医として学校を定期訪問していて一緒に行かせてもらったり、支援級と支援学校の違いだったり実際の学校の先生の工夫なども知りました。中学校で禁煙教室をさせてもらって楽しさ難しさも学びました。発達のリハに一緒に入って、遊びながらその子や親の生の声を聞いたり、市の乳児健診での保健師さんの指導を聞いたり...小児の在宅導入にむけても一緒に考える機会に恵まれました。
ワクチンも自分で打てるようになって、風邪できた子に足りないワクチンをチェックしたりしました。
私が今後診察室でみる目の前の子の成長発達には多くの人が関わっていて、その関わりの中でその子が生きていること。医療の関わりの役割もあれば、つなぐことだけが医師の役割だったりすることもある。医師の果たす役割なんてほとんどないこともある。医療がもっともっと楽しく思えてきました!!
最初は、たくさん来るインフルエンザの患者さんの診療も一編通りだったけど、最後の週には、家族構成を気にした問診や、来年のワクチン接種推奨、その受診を機に禁煙や高血圧治療、発達外来に繋げられたケースもあって、風邪の外来も多様性に富んでいる、少し家庭医的アプローチができるようになった気がしました。
外来は、病棟管理と違って自分と患者さんの契約。
絶対高血圧の治療をしないと拒んでいた方が、このまま先生に診てほしいと言ってくれたり、繰り返し転倒していた方の原因を一緒に考えてお家の環境や生活指導したら、あれから1回も転んでませんと報告いただいたり、医者冥利につきる嬉しい瞬間でした。
私の1ヶ月のローテーションの終わりを患者さんがあんなに残念がって下さると思わず、本当にありがたく、そしてさらに今後頑張ろうと力をもらいました。
小児科と家庭医診療はちょっと似ていて、私のビジョンにもいっぱい似ているところがありました!
お世話になった方々ありがとうございました(^ ^)

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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学