最善の看取りとは・・・

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終末期、家族志向型ケア

キーワード

終末期、在宅、看取り、プロフェッショナリズム、ACSCs、終末期の意思決定、ACP

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◯千葉大から半年間研修Drの熊谷先生の発表でした。「最善の看取りとは・・・」というタイトルで発表いただきました。

病院嫌いの超高齢男性の終末期のケアを訪問診療から病棟を通じて行った症例でした。入院したくない本人と家族の意見の相違のある中、最終的に病院で看取る結果となり、より良いケアとは?と考えるきっかけとなりました。

死には、1.点ではなくプロセス、2.個人史の重要性、3.死にゆくものと遺されるものとの関係性、などを重視するなどの大切な側面があるとのことでした。その中で、個人史から本人が大切にしていたもの、家族との関係性などを考察してくれました。最終的には患者さんからも徐々に感謝の言葉が聴かれるなど、最善ではなかったかもしれないがBetterな看取りとなったのではないかと感じることができたと感じることができたようです。

ディスカッションでは、本人・家族が大切にしていることを突き詰めることがよい看取りにつながるのではという意見や、地域的な制約・組織としての経験を積むことなども、希望を叶える上で必要だといったことが挙がりました。
ポートフォリオとして仕上げる上では、感情の動いた点の言語化、緩和ケア的な介入、在宅診療の役割、生物医学的な評価の記述などが提案されました。
エントリーとしてはプロフェッショナリズム、救急などの視点からも考察できるかもしれないとの意見も上がりました。

岩間先生から、「最善の医療」は患者の言うとおりにすることだけではなく、医学的な視点からよりよい未来像に向かって提案していくことで成し遂げられることもあるというコメントをもらいました。また、ACSCs(Ambulatory care-sensitive conditions)の視点から瀬戸際の状態に至る前に介護やACPなどを含めて出来ることができていれば、もっと余裕を持った終末期につなげることができたのかもしれないというコメントをもらいました。

これから「最善の看取りとは・・・」という問に対して熊谷先生自身の答えを見つけられることを楽しみにしています。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学