たりないピース

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リハビリテーション


〇他院からリハビリ目的の紹介だったが、ゴールが明確でなく、生活上も不安定だった60代脳梗塞後の患者。本人、家族、紹介元と調整を行った点について、リハビリテーションのICF(国際生活機能分類)にそって発表されました。

「運転したい」が本人・家族の言葉だったが、その言葉通りではなく、深いところにある「真の目標」を掘り下げ、「自立した生活」が目標であることを共有し、そのために他の手段を用いることも検討することでよりよいケアにつなげた事例でした。年森先生自身、これまでは、PCCM(患者中心の医療の方法)やCGA(高齢者総合評価)を元に診療の調整を行ってきましたが、今回ICFを利用することで「参加」の部分がキーになっていると感じ、それはPCCMのHealthをより深く考えることに繋がった、との学びを共有してくれました。

その後のディスカッションでは、ICFの中で「心身機能・構造」「活動」が、「参加」につながることで意味を持つこと、それがセラピストと共有されることが大切であること、またICFを利用した取り組みとして、多職種(医療、看護、リハビリ、福祉、介護など)や、家族・本人との「共通言語」として利用することがケアの向上に関与するのでは、と今後に活かせそうな提案も出ました。リハビリと家庭医の仕事は似ていること、ツールはそれぞれにあるが、より合った方法を選択してケアにあたればよいだろうという話や、人間はSocial animalであり、「居場所と出番」があることが大切、などの話題にも話が広がりました。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学