メンバーインタビュー #4:高度医療と生活の隙間を埋める 診療看護師 土屋忠則
多様なメンバーの声を通して亀田在宅の魅力をお届けします。第四弾は診療看護師(NP; Nurse Practioner)として在宅医療で活躍する土屋さんにインタビューをしました。
-NPになって亀田在宅に至るまでのキャリアを教えてください
最初に脳外科の集中治療室で4、5年働きました。その後救急や災害医療に興味があったので救急外来13、4年働いて、DMATに参加したり、救急看護の認定看護師を取ったりしました。このままずっと救急の現場で働くのかなと思いつつも、待つ医療ばかりでいいのだろうかという疑問を持ち始めて、出向く医療をするべきなのではと頭の片隅で思っていました。その中で、ちょうどドクターカー事業の立ち上げに関わる機会がありました。少し出向く医療には近付いたのですが、現場に行くといっても途中で救急車とドッキングするまでの関わりなので、ちょっと違うなと思いました。自宅まで医療を届けるなら在宅診療だと思い、もっと在宅のことを学びたいという気持ちになりました。ちょうどNPという職業にも興味があって、NPなら救急と在宅の架け橋になれるかなと思ってNPの大学院に進みました。大学院卒業後2年間は初期研修医と同様に様々な科をローテーションしながら研修をして、その後から亀田在宅に配属されました。
-現在はどんな働き方をしていますか?
訪問診療に同行して診療補助やカルテ記載をしたり、在宅移行する患者さんの退院前カンファレンスに参加してケア移行をサポートしたりしています。当院は非常勤医師も多いので、初めてその患者さん宅に行く医師がスムーズに診療に入れるよう患者さんの情報をインプットすることで診療の継続性を担保するよう心がけています。あと、多職種との繋ぎ役になることも重要な役割で、医師に直接伝えづらいちょっとした疑問や不安に対応したり、ニーズを拾い上げて合同の勉強会を企画したりもしています。
-NPになってどんなことが変わりましたか?
在宅診療、救急看護、訪問看護と色々な頭で診療ができていますね。大学院や卒後研修の中で疾病管理をたくさん学んだので、患者さんが病気になって現在に至るまでの経緯が理解できたり、状態に合わせたケアやアドバイスをできたり。そこが看護師の時との違いかなと思います。
-NPの視点を活かして上手く関われたなと思う事例はありますか?
クリティカルケアを学んできているので、急性期治療を終えて自宅退院する患者さんと関わるときに、ケア移行をゆるやかにするような関わりができているなと思います。例えばALSの患者さんが初めて在宅移行するときに、一緒に自宅に行って気温や湿度などを踏まえた環境調整をしたり、非常時のためのアンビューバッグの使い方の指導をしたり、生活スタイルに合わせた人工呼吸器の管理方法を提案したりといったことができましたね。高度な医学管理と、病院ではイメージしづらい生活の視点を組み合わせるのが私の重要な役割だと思っています。
-実際に働いてみて感じる亀田在宅の魅力とは?
鴨川という田舎にありながら、世界レベルの医療と在宅をつないで介入できることでしょうか。海外のDr.との定期的なカンファレンスもしていて、海外との考え方の違いを学べることも面白いですね。あと、入院中から患者さんに関わることができて、その結果を自宅で見られる、そういう途切れのない医療を提供できることも大きな魅力だと思います。
-プライマリ・ケア領域で活躍できるNPを目指している方へ一言
プライマリ・ケアでは患者さんと継続的に関わる中で患者さんが病院では見せない笑顔を見せてくれますし、とても感謝もしてもらえて、やりがいを感じます。やればやるほど深みがあって面白い分野だと思います。実践していくにはプライマリ・ケアの視点だけでなくクリティカルケアの視点も必要です。その両方を学べるのは亀田です。是非一緒に働きましょう!