メンバーインタビュー #1:より本当っぽいその人とじっくり向き合える 甲斐友里恵
多様なメンバーの声を通して亀田在宅の魅力をお届けします。
第一弾は2021年度にフェローシッププログラムを修了し、2024年度現在はスタッフとして勤務されている甲斐先生にお話を伺いました。
-亀田在宅に至るまでのキャリアを教えてください
医学部入学前に、医学とは関係のない4年制大学を卒業しました。その後、群馬大学医学部に再入学・卒業し、千葉県の東京ベイ・浦安市川医療センターで初期研修を行いました。初期研修修了後も数年は同病院での修業が必要かなと思っていたので、その後も後期研修医として残留し、おもに急性期の内科疾患の病棟管理をしていました。
-どうして在宅医療を学ぼうと思ったのですか?
まず、初期研修医時代に行った地域研修での訪問診療が楽しかったというのがあります。ただその時は「このローテ楽しかったなー」という程度のことしか思いませんでした。在宅医療を意識したのは、診療業務の中でアドバンスケアプランニングの勉強をしていたときです。
アドバンスケアプランニングには元々興味があり、割としっかりできているつもりでした。でも、急性期管理を終えて退院した患者さんに外来でお会いすると、入院中に感じていた「この人ってこんな人だろうなぁ」というイメージとは全然違うお顔をみることが多くて驚きました。その時に初めて、「入院」という状況が多くの患者さんにとっては非日常的なイベントであることや、その中で見せてくれる顔は普段の様子とは違って当然だということを意識しました。それまで院内の業務しかしたことがなく、自分自身も大きな病気をしたことがなかった私にとっては晴天の霹靂ともいえる出来事でした。
これからも医療に携わる身として、やっぱりできることなら「より本当っぽいその人自身」を感じながら診療したいなと思ったときに、初期研修医時代の楽しかった訪問診療の記憶がよみがえってきて、この道かなと思いました。
-在宅を学ぶにあたって亀田在宅を選んだ理由は?
前勤務先の先輩医師からの勧めで、見学にきました。学生の頃に勢いあふれる亀田のホームページの様子に気圧されてそっと閉じて以来だったので、見学当初は大丈夫かな…と謎な不安感があったのですが、実際はそう怖いこともありませんでした。他の在宅クリニックへの見学もいきましたが、一人一人の患者さんとじっくり向き合っている感じが一番感じられたのと、単純に患者さんのお宅への道程も含めて見学の1日だけでも楽しく過ごせたというのもあり、ぜひ働かせてくださいとお願いしました。
-現在はどんな働き方をしていますか?
働き始めて1年ほど経った頃に結婚し、出産しました。産休、育休を取らせていただいたあと、今は7.5時間の時短勤務をしています。日中の診療内容は他の医師と同じですが、夜間待機は免除してもらっています。
診させていただいている患者さんの疾患は、悪性腫瘍、慢性呼吸不全、慢性心不全、慢性腎不全、認知症、神経難病などです。
-実際に働いてみて感じる亀田在宅の魅力とは?
いい意味で医者の存在感が病棟での診療よりも薄く、看護師をはじめとした他の職種の人達が積極的にかかわってくれるのでチーム医療の良さを実感できるところです。同じフロアにいろいろな職種の人間が集まっているので、患者さんのことでわからないことがあればすぐに聞いたり、逆に聞かれたりすることもあります。チーム内での密なコミュニケーションによって、診療の質を上げることにもつながりますし、自分にとっても一人で診療にあたっているのではないという安心感があります。
また、1件の診療にある程度時間をかけられるところも魅力です。バタバタする日もありますが、時間に追われてひとつひとつの診療がおざなりにならざるを得ない…というストレスはなく、時には患者さんのお宅でじっくり腰を据えて話をしたりもします。
-亀田在宅を考えている方へ一言
ぜひ一度見学にきてください。
これは亀田に限った話ではないですが、在宅医療に携われば携わるほど、医療は患者さんにとってはあくまでも生活のごく一部にしか過ぎないんだなぁということを実感させられます。自分がこれまで教わってきた知識や技術をいかに生活の中に落とし込むか、悩ましいことも多いですが、やりがいも感じられるかと思います。