メンバーインタビュー #3:在宅と入院の架け橋になる 江口忠志

多様なメンバーの声を通して亀田在宅の魅力をお届けします。

-亀田在宅に至るまでのキャリアと在宅医療を学ぼうと思ったきっかけを教えてください

医学生の頃から総合内科や総合診療に関心があって、初期研修修了後は都内の総合病院で総合内科・総合診療を学ぶプログラムで研修を受けました。研修先の1つだった埼玉県の病院は、在宅医療も行っている医療機関で、訪問診療を基本として、医学的に調子が悪くなったり、社会サービスの調整が必要になったら、入院をして、整えて、また在宅に帰るという、シームレスな(継ぎ目のない)医療を提供していました。ずっと同じ人を見続けられる良さを目の当たりにして、自分がやっていきたいことはこれだなと感じました。それで総合内科と家庭医療の専門医を取り終わって、あらためて在宅医療の力を身につけようと思いました。

-在宅を学ぶにあたって亀田在宅を選んだ理由は?

総合病院で、総合内科があって、在宅医療も学べる病院で選んでいって、亀田在宅に行き着きました。赴任する時点から両科を兼任できる形での働き方をお願いしていました。

-在宅フェローの時はどんな働き方をしていましたか?

在宅診療科は週2回+夜間オンコールで、それ以外は総合内科病棟での勤務でした。ただ在宅診療科勤務の日も、訪問診療から帰ってきたら、ちょっと病棟の様子を見に行ったりして、2つの科の患者さんのことを把握しなければならないというのは、少し大変ではありましたが、グループ診療のおかげで支えてもらっていました。
それ以上に、在宅の患者さんが総合内科に入院する時や、逆に総合内科から在宅導入になる患者さんを、自分がそのまま見続けることができて、シームレスな医療を提供できているかなと思っています。

-現在はどんな働き方をしていますか?

在宅専門医は無事に取れ(優秀ポートフォリオ賞受賞)、現在は総合内科が軸で、在宅診療科は週1回+夜間オンコールという形でやっています。

-在宅医療を学んだ後で、先生の病棟での臨床や教育に変化はありましたか?

だいぶ変わりましたね。患者さんが、どんなお家でどんな生活をしているのか、ご家族とどのように支え合って生きているのか、より具体的にイメージできるようになりましたね。今までは家での様子は、言葉の問診だけで想像する形だったので。
あとは病棟での急性期治療が終わって、自宅に退院するという時に、いまのADLや介護力で本当に帰れるのか、介護体制の見直しが必要なんじゃないかということをより想像して考えるようになって、実際にご家族にサービス調整を相談したり、患者さんと相談をしてもう少しリハビリを強化したりするようになりました。
在宅の経験があることで、病棟と在宅のケアの差を埋めるために、入院中にできることが分かってきた気がします。そしてそれを研修医・専攻医・診療看護師NPに教えられるようになってきました。入院中に担当した患者さんが、訪問診療に移行したときは、実際にお家に一緒に行ってみて頂いて、入院中の時とは違う患者さん家族の姿を感じてもらったり、ケア移行を意識してもらったりして、次の診療に活かせてもらえたらなと思っています。

-実際に働いてみて感じる亀田在宅の魅力とは?

病棟と在宅部門の距離が物理的にも心理的にも近いことは大きいと思いますね。兼任している僕だけではなく在宅側のスタッフも、在宅の新規導入や在宅から入院になった患者さんに気軽に会いに行けますし、今どんな感じか多職種に聞いたりもできます。あとはケアマネもヘルパーも訪問看護師も我々医師も、全員が1つの部屋に揃っていて、患者さんのことで何かあれば気軽に相談できるっていうのも大きな魅力だと思います。それがフェローシップで来る人達にとっても、多職種連携を学ぶ上での良い教育コンテンツになっているので、他の施設ではあまりない環境だと思います。

-亀田在宅を考えている方へ一言

亀田在宅は、患者層や疾患のバリエーションが多彩で、豊富な経験を積めて、多職種連携と病診連携のしやすさによって質の高いケアも学べるので、今後訪問診療をやる上での土台ができると思います。あとは色んな働き方ができて、僕みたいに病棟と兼任するやり方もあるし、育児休暇を取りながらだったり、専門的に極めたい領域を深めながらだったり、工夫ができると思います。海を見ながら訪問診療ができるっていうのもなかなかないと思います笑。これらの視点で、すごくおすすめできる場所だと思います。