(H28/11/8)朝カンファレンスにおいて川満菜津貴医師が自己免疫性膵炎について発表しました。

自己免疫性膵炎はリンパ球と形質細胞の高度な浸潤と線維化が組織学的特徴です。1型と2型がありますが本邦では1型が主で 本邦では自己免疫性膵炎=1型を意味しておりIgG4関連の膵病変と考えられています。

膵外病変を合併しますが、リンパ球が自己の何をターゲットにして攻撃しているのかが分かるともっと興味が沸きます。
さらにBリンパ、形質細胞が多く見られるのですが、Tリンパはほとんど見られないのに線維化が高度に起こるのはなぜなのでしょうか?花筵(はなむしろ)状線維化はどういう機序でおこるのでしょうか?そういうことがもっと分かると面白いと思います。
また、通常は3年を目処にステロイド維持療法をしますが、自己免疫疾患ですから中断したら再燃すると考えるのが普通なのではないでしょうか。維持量も5mgでは駄目で7.5mgなら大丈夫という症例もあるし3mgまで減量可能な症例もあり試行錯誤で治療しているのが現状です。ステロイド長期投薬による骨粗鬆症も避けたいですね。どのタイミングで免疫抑制療法に切り替えたら良いのか治療法が確立されていない疾患です。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器内科顧問 平田 信人

【専門分野】
胆石、胆道ガン、膵炎、膵ガンなどの胆膵の病気、消化器内視鏡全般、胆膵内視鏡