遺伝性腫瘍とは?
日本人の生涯がん罹患リスクは約54%で、2人に1人が一生の間にがんを発症すると言われています。 がんの発症には生まれ持った遺伝要因(一生変わらない「体質」)と、生まれた後の環境要因(生活環境や生活習慣、年齢など)の両方が関与しています。遺伝要因の一つに特定の遺伝子の変化によって、「生まれつきがんを発症しやすい体質」 となる場合があります。それを遺伝性腫瘍と呼びます。全がん患者のうち、5-10%程度がその体質を持っていると言われており、変化のある遺伝子に応じて発症しやすいがんの種類が異なります。
どんな人で遺伝性腫瘍が疑われるの?
若くしてがんを発症した、ひとりで複数回がんを発症した、家族に特定の種類のがんが多いなどの場合、 遺伝性腫瘍の可能性があるかもしれません。もちろん、上記に当てはまっても遺伝性腫瘍でない場合もありますし、当てはまらなくても遺伝性腫瘍である場合もあります。
遺伝性腫瘍の検査について
あなたやご家族の病歴より遺伝性腫瘍が疑われる場合には、血液による検査で調べることができます。
当院で対応可能な遺伝性腫瘍の例
- 遺伝性乳がん卵巣がん(Hereditary Brest Ovarian Cancer;HBOC) ※条件により、保険での検査が可能です
- Li-Fraumeni症候群
- Lynch症候群
- Cowden症候群
- 家族性大腸ポリポーシス(Familial Adenomatous Polyposis;FAP)
- 多発性内分泌腫瘍症I型/II型 など
検査のメリット・デメリット
特定のがんになりやすい体質だと分かった場合、今後の定期検査や治療において自分に適した方法・薬 を選択できる可能性があります。また、ご家族が同じ体質を共有しているかを調べたり、体質に合わせたご家族の健康管理に生かすこともできます。 一方で、体質が分かることや家族への影響、検査を受けること自体によって心理的影響が生じる場合があります。
受診前のお願い
遺伝性腫瘍の可能性を知る手がかりとして、ご家族(血縁者)の病歴の情報が有用となります。外来時に、がん以外も含めた病歴についてお伺いいたしますので、可能な範囲で事前にご確認下さい。
遺伝性腫瘍と診断された方のご家族へ
遺伝カウンセリングでは、がん発症者だけでなく、がん未発症者の相談にも対応しております。
ご気軽にご連絡ください。
遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)と診断されたご家族は、下記の資料をご参照ください。(PDF形式)
リーフレット:遺伝カウンセリングへのご案内はこちら
ご予約について
下記のいずれかの方法でご連絡ください。予約日程を調整致します。
(1)主治医から:まずは主治医へご相談下さい。
(2)予約フォーム:下記から入力をお願いします。
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(3)電話:04-7099-1111(予約センター)