2021.03.16 抄読会
担当:初期研修医 吉羽先生/ 指導 川上先生
論文:
Olanzapine for the Prevention of Postdischarge Nausea and Vomiting after Ambulatory Surgery
Jaime B.et al.
Anesthesiology2020; 132:1419-28
タイトル:オランザピンによる日帰り手術のPONV予防
今回のお話は、米国での研究です。
オランザピンは、抗癌剤による悪心嘔吐にも使用される抗精神薬です。
米国では日帰り手術が多く、帰宅後の悪心嘔吐が問題とされています。
術後、オランザピンを内服することで、このPONVを優位に減らせることがこの論文で示されました。
薬価も安く、術後PONV高リスクの患者さんに日本でも使えるのではないかと、医局内で議論がありました。
悪心嘔吐は患者満足度を低下させるので、このような改善策が選択枝になるのはとても良いですね。
吉羽先生、川上先生、発表ありがとうございました。
オランザピン:抗精神病薬・双極性障害治療薬・制吐剤
効能又は効果
統合失調症
双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
禁忌
- 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
- バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)[「相互作用」の項参照]
- 糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者
亀田総合病院 研修医 渕野先生、麻酔科 後期研修医 荻野
このサイトの監修者
亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収
【専門分野】
麻酔、集中治療