忙しい専攻医のためのJBPOT合格戦略(JBPOT2025体験記)
はじめに
臨床・研究・子育てをしながらJBPOTに合格できるのか――これは多くの若手麻酔科医が抱く疑問だと思います。私は専攻医2年目、妻は専攻医1年目、8歳以下の子どもが3人おり、実質的な自由時間は1日1〜2時間しかありませんでした。また、新しい研究プロジェクトの立ち上げに多くの自由時間を費やしていました。そういった条件下でも2025年のJBPOTに合格できたので、本稿では「限られた時間で何を優先したか」を共有します。
勉強方法
試験までに経験した開心術は34例で、当院の同学年専攻医に比して経験数が少ない方でした。試験対策を初めたのは9月から、使用した教材は以下の3つのみです。勉強方法に関しては https://www.kameda.com/pr/anesthesiology/post_229.html を参考にしつつもだいぶ簡略化した形です。
- TEE試験対策ガイド ― JB-POT・心エコー図専門医試験徹底攻略
本書は試験対策に極めて実用的でした。特に、知識が体系的に整理されており、初学者でも取り組みやすい構成になっています。私自身、子育てを理由に成書を十分に読み込めておらず、基礎知識が十分でない状態からのスタートでしたが、本書を集中的に反復することで土台を固めることができました。とくに「原理」の章は出題との対応が明確で、記載内容をほぼ網羅的に理解・暗記するつもりで取り組むのがよいと感じました。この1冊を徹底的にやり込むだけでも、合格水準に大きく近づけると感じました。 - 直前講習
こちらも有名ですが、本当にこの内容から多くが出題されます。動画を何回も見ることも重要ですが、私は直前講習に申し込むともらえる講習内容のスライドのPDFを用いて、暗記すべき内容をすべてAnkiに入れて隙間時間にやるようにしていました。弁膜症の重症度の基準、左房圧上昇の指標など細かく覚えておかないといけない数値も多く、そういうものはAnkiを用いて反復するのが効率よく覚えるコツだと思われます。 - 経食道心エコー法マニュアル[Web動画付](改訂第6版)
ちょうどこの書籍の改訂がなされた後だったので買ってみました。結果的に買う価値のあるものでした。本はほとんど使用していないのですが、Web動画(解説付き動画をまとめたウェブサイト)の使い勝手がよく、効率的に勉強ができました。自分の場合は普段しっかり臨床で見ることができていなかった大動脈やその分枝のビューの出し方などがとても役立ちました。
試験本番の戦略
先輩からは「動画問題は時間切れになりやすい」と聞いていたため、以下の方針で臨みました。
- 1問あたりの目安時間をあらかじめ設定する
- 判断に迷う問題は長く粘らず次に進む
- 明らかに誤っている選択肢を除外し、残りから最も妥当なものを選ぶ
この方法により、時間的な余裕をもって全問に取り組むことができました。手応えとしては合格を確信できるものではありませんでしたが、結果は文章問題64%、動画問題78%でした。動画問題には最低点が設定されているため、動画中心の対策を意識していたことが奏功したと考えています。また、当科では「過保護」と言われるくらいに指導医が一緒について教えてくれることも動画問題で余裕を持って受かった一因かと思います。一方で、文章問題では原理に関する設問で失点が目立ちました。振り返ると、「TEE試験対策ガイド」の原理の章をさらに徹底して復習すべきだったと感じています。
時短で受かりたい方へのアドバイスをまとめると以下になります。
- 教材は絞り、反復を重視すること
- 数値はAnkiなどで確実に定着させること
- 動画問題を意識した学習を早期から取り入れること
当科の研修環境について
今回の受験を通じて、子育てで多忙な中でも合格することができたのは、当科の教育体制の充実、子育て世帯への支援体制の手厚さのおかげであると実感しました。とくにTEEや心臓麻酔に関しては、実症例を通じた経験とフィードバックの機会が豊富で、また心臓麻酔月間に集中的に症例を経験できるため、限られた時間でも着実に実力を伸ばせる環境だと感じています。
JBPOTや心臓麻酔に関心がある方、あるいは子育てと専門性の両立を考えている方には、当科の研修は有力な選択肢になると思います。見学や研修に関するご相談は、以下のメールアドレスにお気軽にご連絡ください。
問い合わせ:kameda.masui@kameda.jp
専門医研修プログラム:https://recruit.kameda.com/resident/senior/program/program06/
文責:麻酔科専攻医 山本 亮介
このサイトの監修者
亀田総合病院 副院長 / 麻酔科 主任部長/亀田総合研究所長/臨床研究推進室長/周術期管理センター長 植田 健一
【専門分野】小児・成人心臓麻酔