2024年度JBPOT合格体験記1

麻酔科専攻医2年目 淡谷と申します。この度、第21回JB-POT認定試験に合格し、図らずも合格体験記の執筆の機会をいただきました。至らぬ点も多々あるかと存じますが、私の経験がこれから試験に臨まれる皆様のお役に立つことができれば幸いです。

まず、参考までに私の心臓血管外科麻酔における経食道心エコーの経験症例数は約30症例でした。当院の後期研修の一環として、心臓血管外科手術を集中的に行う期間が設定されており、私の場合は受験年度の4~6月でした。その後、7月より試験に向けての勉強を開始しました。7月以降は経食道心エコーに触れる機会がなく、試験を迎えることとなりました。試験では心臓血管外科手術での臨床的な判断を問うものもあり、経食道心エコーに触れる機会が多ければ多いほど有利であると感じましたが、私のように経験症例数が少なくても丁寧に勉強することで合格することは十分可能であると実感しました。

次に、参考書・参考資料として、『TEE試験対策ガイド』『周術期経食道心エコー図 効率的にまなぶために』『Dr.SONOの公開講座』『経食道心エコー法マニュアル』『echo rounds』を使用し、前半2冊をメインに学習しました。これから受験される方が直面する問題として、インターネットで推奨されている問題集が、出版社の事情により入手できないという状況があります。私も、これまでによく動画問題対策として使用されていた『周術期経食道心エコー 連問式症例問題集』を入手することができず、動画問題対策に苦慮しました。原著の購入も検討しましたが、それを読み解くだけの時間と英語力が不足していたため断念しました。その他の動画対策として『解きながらレベルアップ 経食道心エコー問題集』も購入しましたが、DVDの使い勝手が悪く、ストレスを感じたため使用を中止しました。そのため、『経食道心エコー法マニュアル』で正常心の解剖のエコーでの見え方や各疾患の動画を確認し、講習会(特に直前講習会と経験する機会が全くなかった小児領域の動画)を繰り返し視聴することで動画問題対策を行いました。

勉強のスケジュールを大まかに説明すると、7月より『TEE試験対策ガイド』の精読と『Dr.SONOの公開講座』の視聴を開始し、8月より『周術期経食道心エコー図 効率的にまなぶために』と夏・冬の講習会の動画を視聴しました。9月以降は、『TEE試験対策ガイド』2周目でマーカーで重要な部分を隠すなど暗記のための準備を行い、3周目以降はある程度の速度を維持しながら繰り返し読み返して暗記を進めました。また、『周術期経食道心エコー図 効率的にまなぶために』のエコー原理の領域と計算問題の領域を複数回解き直し、echo roundsもすべての選択肢を理由を持って除外できるように解説をしっかりと確認していました。10月には直前講習会の動画を何度も見返して試験に臨みました。

以上のような勉強方法で、筆記問題、動画問題ともにある程度の余裕を持った点数を取ることができました。試験を終えて、私の場合はエコーの経験が浅かったため、これだけの勉強で何とか合格することができましたが、日頃の臨床から積極的に経食道心エコーに触れる機会を作ることが何よりの近道であると改めて実感しました。

最後まで読んでくださりありがとうございました。少しでもここまで読んでくださった方のお役に立てれば幸いです。最後に、私を応援してくださった先生方、一緒に受験に臨んだ同僚の皆様に感謝申し上げます。

このサイトの監修者

亀田総合病院 副院長 / 麻酔科 主任部長/亀田総合研究所長/臨床研究推進室長/周術期管理センター長 植田 健一
【専門分野】小児・成人心臓麻酔