J-RACE合格体験記

亀田総合病院麻酔科後期研修医4年目の荻野仁史と申します。
日本区域麻酔検定試験(以下J-RACE)に合格いたしましたので、体験記を書かせていただきます。
一般的な対策については多くのサイトで合格体験記がありますし、当院の後輩たちも詳細に記載していただいておりますので、詳細は譲りますが使用した参考書・資料は以下の通りです。

① 問題形式で学ぶ区域麻酔と疼痛治療
② 平凡麻酔科医の1~3
③ Netter解剖学
④ 周術期超音波ガイド下神経ブロック
⑤ あっという間にうまくなる神経ブロック上達術
⑥ 抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックガイドライン
⑦ 冠動脈疾患患者における抗血栓療法ガイドライン
⑧ ペインクリニック専門医認定試験
⑨ インターベンショナル痛み治療ガイドライン
⑩ がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドライン
⑪ 局所麻酔中毒への対応プラクティカルガイド

①と②の問題集については合計3回ほど解けたかどうかだと思います。
③~⑤については日ごろから読んでいるもので、わからないところなどを適宜調べるようにしておりました。
⑥と⑦については過去の直前講習などで重要そうなガイドラインで、なおかつ実臨床でも重要なものだったので通読しました。
⑧~⑩については以前の直前講習で大事といっていたので適宜読みましたが、⑧の専門医試験の過去問で問われているところの内容が記載されている⑨と⑩の該当箇所を読めばいいと思います。
⑪は必読ですべて暗記して損がないです。

今回は受験者数が248名で全体の合格率が61%と低下(2022年は70%程度)しています。
難しくはないけど簡単ではないといった難易度の内容を、一ひねりして知識の正確度をはかって差別化しているような気がしました。実臨床でも合併症を多く抱えた高齢者が増えてきており、一筋縄ではいかない症例が増えていることを反映しているのかもしれません。
おそらく今後は直前に問題集だけを何度も繰り返せばいいような対策だけでは足りなくなり、日ごろどれだけ考えながら区域麻酔を行うことができるのかがより重要になっていくと思いました。
最後に、日々私を支えてくださり、受験の機会をいただきました、亀田総合病院麻酔科・手術部の看護師の皆さん、そして妻と子供たちに対し、この場を借りて御礼申し上げ体験記を締めくくりたいと思います。ありがとうございました。

亀田総合病院 麻酔科 後期研修医 荻野 仁史

このサイトの監修者

亀田総合病院 副院長 / 麻酔科 主任部長/亀田総合研究所長/臨床研究推進室長/周術期管理センター長 植田 健一
【専門分野】小児・成人心臓麻酔